21 SMARTで目標の質を高める 

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
年度当初は、係の組織目標の設定でいつも悩んでしまいます。これまで係長として、「更なる住民サービスの向上」、「職場の安全管理」、「自己啓発に努める」などの目標を提示してきました。しかし、年度末に係員の実績を課長に報告すると、「誰もが長い文章だが、本当に成果になっているのか、よくわからない」と言われてしまいます。組織目標はどのように設定すれば良いのでしょうか。

2 解決法
効果的な目標を設定するための5つの指標・SMARTを使いましょう。

SMARTとは、目標設定のためのフレームワークです。目標をできるだけ具体的にして、実現可能性を高めるもので、次の5つの指標を指します。

①Specific(具体的に)
 抽象的・表面的な目標では、目標の意味や効果がありません。

②Measurable(測定可能な)
 金額、回数、割合など、測定可能な数値を用います。

③Achievable(達成可能な)
 実現不可能な無謀な目標ではなく、達成可能なものとします。

④Related(目標に関連した)
 組織全体や部署の目標とも関連しているものとします。

⑤Time-bound(時間制約がある)
 いつまでに実現するのか、期限を明示します。

民間企業と異なり、自治体ではなかなか実現困難な面もありますが、この5つを意識することが、効果的な組織目標の設定には有効です。

3 活用例
①組織目標の設定
例えば、お悩みのように、単に「自己啓発に努める」ではなく「最低1つは自己啓発に取り組む」と数値化を意識すると、より具体的になります。同様に、「職場の安全管理」も「金庫のカギの閉め忘れなどの職場事故をゼロにする」と言い換えることができます。
 
この他、有給休暇の取得率向上、超過勤務実績の前年度比減なども、数値を活用できます。

②個人目標の設定
個人目標は、組織目標をブレイクダウンした形で設定するのが一派案的です。このため、組織目標がSMARTに基づいているならば、個人目標も連動できます。

仮に、組織目標がSMARTに基づいていない場合でも、個人目標の設定で意識した方が、明確に成果を上司に報告することが可能となります。また、目標設定にあたっては、実際にどのような成果になるのかを考慮することも必要です。

4 ワンポイントアドバイス
自治体においては、組織目標も個人目標も、だいたいパターン化できてしまいます。このため、このSMARTのような考え方がいったん理解できれば、いちいち毎年度の目標設定で悩むことがなくなります。

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