ここからは、実際にあるダメ論文をご紹介したいと思います。いずれも、採点官を悩ませる論文ばかりです。論文の内容以前に、形式的にダメ論文のものがあります。その代表が、文字数が多すぎる、もしくは少なすぎる論文です。
<ポイント>
1 指定文字数の8割以上書く
2 上限文字数の1割以内におさめる
試験では、一般的に文字数がについて何らかの指定があることが一般的です。「文字数は1,500字まで」、「1,200字程度」、「800~1,000字」などです。これをどのように考えたらよいか、説明してみたいと思います。
1 指定文字数の8割以上書く
まず、最低限必要な文字数です。「800~1,000字」のように、文字数の下限が示されている場合は、やはり、下限(例で言えば、800字)を超えないと0点、採点の対象外となる可能性があります。
指定された最低限の基準をクリアしていないので、そもそも採点してくれないと考えておいた方が良いでしよう。
また、下限が示されていない「文字数は1,500字まで」、「1,200字程度」のような場合は、文字数の最低8割は必要と思われます。前者は1,200字、後者は960字です。
採点基準は、自治体によって異なりますので、確実なことは言えませんが、8割に満たない場合は、論文の分量としては、かなり少なくなります。このため、やはり0点、採点の対象外となる可能性があります。
ちなみに、書くべき内容がないため、何とか文字数を稼ごうとして、一文ごとに改行して、ひたすら原稿用紙の行数を使おうとする論文もあります。
これまでも述べたように、文字数は実際に書いた文字数でなく、使った原稿用紙の行数で判断しますので、こうした手段を取る受験生もいるのです。
しかし、こうした記述方法では論文の内容が薄くなってしまいますので、合格基準をクリアすることは困難です。
2 上限文字数の1割以内におさめる
次に、上限文字数です。例えば、「800~1,000字」の場合、「1,001字以上の論文はすべて減点もしくは0点」と考える人がいます。
しかし、実際にはそこまで厳密ではなく、一般的に上限文字数の1割以内であれば可とされています。例で言えば1,100字となります。
上限文字数を大幅に超えてしまう論文は、そもそも論文の構成や内容が変わってしまいます。
試験の実施機関としては、「800~1,000字」で3章構成の論文を期待しているにも関わらず、受験生が1,500字の4章構成の論文を書いてしまうと、「こちらの要求している論文とは、根本的に違うんだよな」と思ってしまいます。
いくら内容的に優れた論文であっても、論文の構成や内容が異なってしまうと、やはり高得点にはなりませんので、注意が必要です。
昇任論文の書き方は、次の書籍がおススメです!
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