これまで「困った公務員の傾向と対策」について、いろいろなタイプに分類して解説してきました。本日は最終回として、このシリーズを終えるにあたり、「まとめ」ではないのですが、思ったり感じたりしたことをいくつか書き連ねてみたいと思います。
まずは、多くの方から感想をいただきました。この場を借りて、御礼を申し上げます。「確かに、こういう人いる!」、「私の職場では、こんな感じです」といったものもあれば、ご自身の対応策について書いてくださった方もいました。「困った公務員」は至る所に存在し、そして多くの職員が苦労されていることを改めて知りました。やはり、組織で働く公務員にとって、人間関係は重要なテーマです。
自分自身も30年以上も勤務してきて、新人職員時代から管理職として退職するまで、本当に様々な人を見てきました。退職した今では、笑えたり、良い思い出になったりしていますが、当時はそんな余裕もなく、毎日「本当に、この人、どうにかならないだろうか」と悩んだものです。お読みいただいた方の中にも、それと同じような悩みを持っている方も少なくないのだと実感しました。
この「困った公務員の傾向と対策」シリーズでは、困ったタイプに対する悪口・苦情を、ただ書くだけにはしないように注意しました。先程述べたように、こういうタイプがいると、毎日、ストレスを抱え、心に余裕がなくなります。
このため、少しでも客観的にこうした人々を見ることができるよう、一歩引いて笑えるような視点で捉えるようにしたつもりです。このため、「困った公務員」にまつわる、笑えるエピソードをできるだけ加えるようにしました(実際に笑えたのかは、わかりませんが……)。
また、「困った公務員」に対して、実際にどのように接したら良いのか、という点に注目しました。そのことが、現在悩んでいる方にとって、少しでも参考になるのではと思ったからです。
タイプによっては、「人事課に相談する」、「上司の上司に相談する」、「キラーフレーズを使ってみる」などを提案しました。実際に自分の身を守るは、自分自身しかありません。ただただ、「困った公務員」のために、休職などに追い込まれることがないようにと思ったからです。こうしたことは、心に余裕がないと、なかなか行動に移すことができません。そんな方々に少しでも参考になったら幸いです。
例えば、上司のパワハラに悩んでいる公務員も、実は少なくありません。そして、それこそ「人事課に相談する」、「上司の上司に相談する」職員もいます。しかし、実態として、解決に結びつかないことがあります。なぜなら、「人事課」や「上司の上司」がそのパワハラが表沙汰にならないように、握りつぶしていることもあるからです(実体験です)。
反対に、一見上司によるパワハラのように見えても、実は、部下の勘違いや理解不足ということもあります。課長の指導としては間違っていなくても、部下が「パワハラだ」と人事課に訴えることもあるからです(これまた、実体験です。あっ、でも訴えられたのは私ではありませんよ)。
このため、訴えられた課長は、その説明のために多くの時間を費やすことになってしまいました。このように、「困った公務員」の対策と言っても、一筋縄ではいかないのが、実態でしょう。
公務員を退職した現在、様々な活動をしているのですが、その中の1つに公務員を目指している人へのサポートがあります。一所懸命に勉強や対策をしているその姿には、時にこちらがはっとさせられます。そんな彼らが、公務員を目指してひたむきに頑張っているのを見ると、時々、考え込んでしまうことがあります。
それは、いずれ彼らも人間関係に悩み、場合によっては「困った公務員」のために、メンタルを病んでしまうこともあるのでは、と考えてしまうからです。もちろん、まだ公務員になってもいないのに、そんなことは「考え過ぎ」です。
しかし、彼らの中の何人かは、そうした事態に遭遇してしまうのではと思うと、ちょっとやるせない気持ちにもなってしまうのです。個人的には、公務員生活は十分エンジョイしたので、「公務員の仕事は面白いよ」と言っているのですが……
まとまりのない駄文になってしまいました。申し訳ありません。ひとまず、以上を持ちまして、今回のシリーズを終わらせていただきます。また、ご要望があれば、別なシリーズを考えてみたいと思っています。ありがとうございました。
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