2 自治体財政の基本構造

自治体財政

1 概 要
①自治体が財政運営を行う場合には、歳入・歳出・基金・地方債を上手に活用することが必要。
②基本的には、歳入に応じて歳出が決まるが、歳入が不足する場合には基金や地方債を活用する。
③地方債を発行したならば、返済のための歳出が必要となる。

2 歳入の中で歳出を行う
家計でも同様ですが、収入の中でしか支出を行うことはできません。しかしながら、住宅や自動車などの大きな買い物をする場合には、通常の収入以上の金額が必要となります。この場合は、預金を取り崩したり、借金をしたりして家計を維持していくことが求められます。

3 財政の基本構造
上の図をご覧ください。この図をご覧いただくと、財政の基本構造がわかりやすくなると思います。

まずは、決まった歳入の中で歳出を行うことが基本となります。予算を編成する場合、どのくらいの歳入があるかを把握した上で、歳出を決める必要があります。歳入もないのに、必要以上の歳出を計画しては自治体の財政が破綻してしまいます。

しかし、自治体では通常以上の歳入が必要となる場合があります。施設を建設する、学校を改築する、など理由は様々です。こうした場合、例年の歳入では歳出を賄うことはできませんので、預金を取り崩すか、借金をする必要があります。家計でも同様に、定期預金を解約したり、住宅ローンを組んだりするのと同じことです。

これが図の左側の吹き出しにある、基金→歳入(預金を取り崩して収入を補填)や地方債→歳入(借金で収入を補填)にあたります。

しかし、基金や地方債を活用するためには、その対応も必要となります。それが図の右側の吹き出しにある、歳出→地方債(借金を返済)や歳出→基金(後年度に備え、預金に積立て)に相当します。家計でも同様ですが、住宅ローンの借入を行えば、返済が必要となります。この借金の返済にあたる部分を、公債費といいます。

また、自治体も後年度の負担に備え、預金することがあります。例えば、今後予想される学校の改築に備えて、歳出として基金に積み立てるのです。これを積立金と言います。

4 預金と借金を上手に使い分ける
家計でも預金と借金を使いわけるように、自治体の財政運営でも、基金と地方債を上手に活用することが求められます。例えば、施設建設などで地方債を活用する場合には、借金することにより、将来の住民にも、税金などによって負担していただくこととなります。

これは、将来の住民も施設を使うため、世代間の負担を公平化できるという役割があります。

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