1 概 要
①職員の採用は、臨時的任用・非常勤職員の任用を除き、すべて条件付採用となる
②条件付採用職員の身分取扱いは、正式採用職員と一部異なる部分がある
2 条件付採用とは
職員の採用は、臨時的任用・非常勤職員の任用を除き、すべて条件付採用となります(地公法22条)。これは採用試験で示された職務遂行の能力を、実務を通して確認するための制度となっています。
採用試験は、あくまで限られた時間の中での筆記試験等の結果に過ぎませんので、能力の実証といっても限界があります。そのため、現実の職場における勤務の中で、職務遂行の能力を観察して、それが確認できたときに正式採用するというのが、条件付採用の制度となっています。
その期間は6ヶ月間で、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になります。また、人事委員会(非設置団体は任命権者)は、条件付採用期間を1年まで延長することが可能とされています。なお、この制度は、民間における試みの使用期間(労基法21条4号)と同じ性質のものとされています。
条件付採用期間は、正式採用のための能力の実証がなされている期間ですので、もし能力が十分に実証されないときは正式に採用されません。その際は、職員の身分を失うことになりますので、正式採用職員のような身分保障はなく、一定期間は解雇予告の制度も適用されません(労基法20条には、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない」とされています)。
また、十分能力の実証がなされなかった場合にのみ免職され、正式採用について別段の通知または発令行為は必要ありません。
3 条件付採用職員の身分取扱い
(1)服務・懲戒
正式採用職員と全く同じ。違反者は、法29条に基づき懲戒処分される
(2)不利益処分に関する審査請求
条件付採用期間中の職員は、たとえ分限処分・懲戒処分を受けても、人事委員会・公平委員会に救済を求めることはできない
(3)勤務条件に関する措置要求
勤務条件は正式採用職員と同一のため、それに不満がある場合には、勤務条件に関する措置要求をすることができる
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