12 任命の方法等

地方公務員法

1 概 要
①職員の職に欠員を生じた場合には、任命権者は採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法により、職員を任命する。
②人事委員会・競争試験等を行う公平委員会は、任命の方法の一般的基準を定めることができる。

2 欠員の補充
地方公務員の身分を有することは職を有していることであり、身分と職は一体のものです。職員を任命(任用)するとは、「職」を人に就けることとなります

職員の職に欠員を生じた場合には、任命権者は採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法により、職員を任命することができます(地公法17条)。

3 任命の種類
任命の種類としては、採用、昇任、降任又は転任となりますが、実際にはこれ以外の用語による任命として、次のようなものがあります。

名 称 内       容
配置換 任命権者を同じくする職で、現に保有する職と同等の職へ任用する
併 任 現に任用されている職員をその職を保有したまま他の職に任用すること
兼 職
(兼務)
併任と同義語
充て職 ・一定の職にある職員を他の一定の職をも占めさせること
・兼職のように、兼ねる職についての発令行為を要さず、本来の職に発令されることにより、自動的に他の一定の職を兼職することになる
・同一地方公共団体内でのみ可
事務従事 職務命令に基づき、職員を他の職務に従事させること
事務取扱 ある職員の職が欠員となった場合または海外出張や病気などの場合で、暫定的にその職の事務を行うこと
事務心得 本来、ある職になるのに必要な資格を満たさない者を、その職に暫定的に就かせること
出 向 職員を他の任命権者の機関の職につかせることなどのこと
派 遣 出向とほぼ同義語

4 任命の方法の一般的基準
人事委員会・競争試験等を行う公平委員会は、任命の方法の一般的基準を定めることができるとされています(地公法17条2項)。つまり、職員の任命について採用、昇任、降任または転任のいずれによるかの一般的基準を委員会が定めることができるのです。

これは、具体的には都道府県の主事補への任命は採用によること、主事への任命は採用または昇任によること、係長、課長への任命は昇任によることなどを定めることをいいます。

委員会に任命方法の一般的基準を定める権限を与えている趣旨は、大規模な地方公共団体におけるそれぞれの任命権者の任命の方法を専門的な観点から調整しようとするものです。

任命のうち、採用及び昇任については、地方公共団体の事務の総合調整を図る立場から、地方公共団体の長にも総合調整権があるので、両者の調整に齟齬を来たさないよう調整を行う必要があるとされています。

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