1 なぜ「残業ゼロの仕事術」が重要なのか

残業ゼロの仕事術

今回から、「残業ゼロの仕事術」として、効率的な仕事術について解説していきたいと思います。初回のテーマは、なぜ残業ゼロの仕事術が重要なのか、です。なぜ、このテーマを選択したのかを、皆さんに知っていただければと思っています。

そもそも公務員の皆さんにとって、仕事の目的とは何でしょうか。当然、「生活費を稼ぐため」、「身分が保障されている」などの生活の安定に起因する理由もあると思いますが、公務員という職業を選択した理由はそれだけではないはずです。「住民のために役に立ちたい」、「自分の力を発揮したい」などの個人の意思に関する部分もあったのではないでしようか。しかし、残念ながら、そうした個人の意思が生かされていると感じる人は少数でしょう。

その理由は、一般職員や主任はもちろんのこと、係長級であっても、上司の指示や組織のルールや習慣があるためです。様々な制約がある中で、仕事をしているので、なかなか思い通りにいかないのです。上司や同僚との人間関係にも、気を遣わなければなりませんし、周囲への段取りや根回しなども求められ、なかなか思うように仕事が進まない人もいるかもしれません。とても「自分らしさを発揮できている」とは感じられない人も多いでしよう。

私も、長い公務員生活の中で、このような悩む職員を多く見てきました。そうした経験から、「残業ゼロの仕事術」をお勧めしたいと思っています。なぜなら、それが個人にとっても、組織にとっても最も良い働き方だと思うからです。それが、個人としての生き生きとした働き方につながり、組織としても最大の成果を得られるからです。

この「残業ゼロの仕事術」は、単に「残業しないで帰りましょう」ということではありません。その特長は、最少の労力で最大の成果を上げることです。一人当たり業務量は少なくありませんので、残業をゼロにするには、時間あたりの成果を最大にすることが必要です。

なぜ、この「残業ゼロの仕事術」は個人にとっても組織にとっても、非常に有効なのでしょうか。まず、個人としては、ムリ・ムダ・ムラを無くした仕事スタイルですので、最短距離で仕事の成果を残すことができます。また、そのためにボスマネジメント(上司の取り扱い方)なども学びますので、人間関係などのストレスの軽減につながります。

さらに、一度、この仕事術を覚えれば、様々な部署で応用が可能となりますので、「なぜ、自分は同じ間違いをしてしまうのだろ う」などと落ち込むこともなくなるはずです。仕事に余裕も出てきますので、ますます自分を発揮して仕事ができるようになります。

個人が、このように仕事をすることで、組織としてもメリットがあります。超過勤務手当が不要になる、より良い住民サービスの提供が可能となる、組織全体の成果が高まる、などの効果が期待できるからです。もちろん、上司によっては、そうした組織のパフォーマンスよりも、「とにかく上の人に怒られないことが大事」と思っている場合もあります。しかし、それは疑問です。やはり、組織としての成果を高めることが、組織の存在意義だからです。

なお、この「残業ゼロの仕事術」の中には、様々な技術を含みます。上司とのつきあい方や根回しなどの人間関係・コミュニケーション術、段取りやスキマ時間の活用などの時間管理術、書類の保存やファイリングなどの整理術など、多岐にわたります。「残業ゼロの仕事術」を最大の目的とすることで、様々な手段(技術)が必要となってくるのです。

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