5 直接請求制度 

地方自治法

<ポイント>
①間接民主制の欠陥を是正するために直接請求制度がある。
②直接請求制度には、①条例の制定改廃の請求、②事務監査の請求、③議会の解散請求、④議員、長及び主要公務員の解職の請求、の4種類がある。

1 直接請求制度とは
現行の地方自治制度は、間接民主制をとっている。これは、住民が首長・議員を選挙し、この代表者を通じて政治に参加する仕組み。

本来の民主主義は、住民全員が政治に参加する直接民主制が理想であるが、団体の規模が大きいこと、社会的分業が進んできたこと等により、直接民主制を取ることは困難となっている。

しかし、間接民主制では代表者が必ずしも正確に住民の意思を反映するとは限らないことから、間接民主制の欠陥を是正するために直接請求制度がある。

直接請求制度には、次の4種類がある。
①条例の制定改廃の請求(自治法12条1項、74条1項)
②事務監査の請求(自治法12条2項、75条1項)
③議会の解散請求(自治法13条1項、76条1項)
④議員、長及び主要公務員の解職の請求(自治法13条2項、80条1項、81条1項、86条1項)

2 直接請求制度の具体的内容

 必要署名数請求先必要な措置備 考
条例の制定改廃の請求有権者(※1)の1/50以上首長受理日から20日以内に議会を招集し、意見を付し付議地方税等は請求の対象外
事務監査の請求有権者の1/50以上監査委員監査の実施住民監査請求とは異なる
議会の解散請求有権者の1/3以上(※2)選挙管理委員会選挙人(※3)の投票に付し、過半数の同意で解散請求できない期間がある
議員の解職請求有権者の1/3以上(※2)選挙管理委員会選挙人の投票に付し、過半数の同意で失職請求できない期間がある
長の解職請求有権者の1/3以上(※2)選挙管理委員会選挙人の投票に付し、過半数の同意で失職請求できない期間がある
主要公務員の解職請求有権者の1/3以上(※2)首長議会に付議し、議員の2/3以上の出席、その3/4以上の同意で失職請求できない期間がある

※1 有権者とは、選挙権を有する者
※2 必要署名数については、有権者数によって別途規定あり
※3 選挙人とは選挙権を有し、かつ選挙人名簿に記載されている者(実際に投票できる者)

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