1 概 要
人事委員会・公平委員会とは、任命権者と並んで人事機関(人事行政に関わる最終的な権限を有する機関)の1つです。公平委員会は、人事委員会に比べると比較的規模の小さい自治体に置かれます。このため、両者の権限は異なります。
2 人事委員会・公平委員会の権限
人事委員会・公平委員会ともに、権限は①行政権限、②準立法的権限、③準司法的権限の3つに区分することができます。両者の権限を比較すると、以下のようになります。
人事委員会 | 公平委員会 | |
行政 |
・職員の競争試験・選考 ・職員に関する条例の制定、改廃について議会及び長に意見を申し出ること ・人事行政の運営に関し任命権者に勧告すること ・給与、勤務時間その他の勤務条件に関し講ずべき措置について議会及び長に勧告すること ・勤務条件の関する措置要求の審査および不利益処分についての審査請求以外の職員の苦情を処理すること、など |
・勤務条件の関する措置要求の審査および不利益処分についての審査請求以外の職員の苦情を処理すること |
準立法的権限 | ・人事委員会の権限の委任に関する規則 ・職員の任命の方法の基準に関する規則 ・初任給、昇格および昇給の基準に関する規則 ・職員団体の登録に関する規則、など |
・公平委員会の権限の委任に関する規則 ・職員の任命の方法の基準に関する規則 ・職員団体の登録に関する規則、など |
準司法的権限 | ・勤務条件に関する措置要求の審査 ・不利益処分についての審査請求に対する裁決 ・職員団体の登録の取消しに関する口頭審理 |
(同左) |
〇人事委員会と公平委員会の権限の違い
「人事委員会にあり、公平委員会にない」権限には、例として次のようなものがあります
①職員の競争試験・選考
②人事行政全般の調査・企画・立案
③給与、勤務時間その他の勤務条件に関して、地方公共団体の議会及び長に勧告すること
④人事機関及び職員に関する条例の制定又は改廃に関し、地方公共団体の議会及び長に意見を申し出ること
ただし、公平委員会でも条例で定めれば、上記①の「職員の競争試験・選考」を実施することができます。このような公平委員会を「競争試験等を行う公平委員会」と言います。
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