34 他自治体比較で市の位置づけを捉える

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
企画課では、様々な事業のとりまとめを行っています。先日、市長から「本市らしい、何か特徴ある事業はできないか」とのお話があり、課長以下、職員は頭を抱えてしまいました。いろいろ意見は出るのですが、思い付きの域を出ません。何か良い方法はないでしょうか。

2 解決法
他自治体と比較して、特徴を見つけて事業に反映しましょう。

長い間、自分が所属する自治体で勤務していると、意外に「井の中の蛙」になってしまい、職員自身が市の特徴や強みに気が付かないことがあります。しかし、他自治体と比較すると、市の特徴などが見つけられます。具体的には、以下の方法があります。

①同一都道府県内の他自治体との比較
都道府県では、その都道府県に属する市区町村について、様々な統計・データを発表しています。産業、土木、保健衛生、環境、福祉など、多岐にわたります。これらを見ていると、「本市は市民一人当たりの公園面積が県内で大きい方だ」などの特徴を見つけられます。そうすると、「緑のうるおいあるまちづくり」などの強みに結びつけることができます。

②人口同規模の他自治体との比較
人口が同規模であれば、ほぼ自治体の事業も類似していると考えがちです。しかし、実際に比較してみると、事業はもちろんのこと組織なども異なっていることがわかります。こうした点からも特徴がわかります。

③財政力指数が同規模の他自治体との比較
財政力指数とは、財政的な豊かさを示す指標です。これが同規模であれば似たような財政状況であることから、比較ができます。

3 活用例
①行政視察
他自治体で参考になる事業を実施していた場合、その自治体に行政視察することが有益です。担当職員から直接話を聞くことで、一般的にはわからない苦労なども知ることができます。

例えば、自治体で実施している広告事業で、「庁舎の入口に、民間企業の名前の入った玄関マットを置くことにした。しかし、居酒屋だったために、市民からクレームが出てしまい、撤去した」などの話もあります。

②先進自治体の取組み
新聞などで、全国初もしくはユニークな取組み・事業を行う自治体が紹介されることがあります。こうした取組み・事業は様々な自治体からも注目されて、専門誌などでも取り上げられます。

すると、首長や議員から「うちでもできないか」と聞かれることになります。このように、他自治体の動向には常に注意しておいた方が良いでしょう。

4 ワンポイントアドバイス
「ふるさと納税ランキング」のように、マスコミが自治体比較を報道することがあります。すると、住民からも反響があるため、首長も無視できず、自然と自治体間競争が始まってしまうことも少なくありません。

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