26 SWOT分析で強み・弱みを把握する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
市で観光事業を担当しています。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が大幅に落ち込んでおり、市内の観光業はたいへん厳しい状況です。もともと、市で有名なものは温泉くらいで、最近ではあまり有名でないマンガの舞台とされたくらいです。課長は、「何か新しい取組みを考えよう」と言うのですが、どう考えたら良いか検討もつきません。

2 解決法
内部環境と外部環境から、今後の戦略を考えるSWOT分析を使いましょう。

SWOT分析とは、組織における強み(Strength)と弱み(Weakness)、組織を取り巻く機会(Opportunity)と脅威(Threat)を明らかにして、今後の戦略を考えるものです。4つの頭文字から、SWOT分析と言います。

内部環境である強み・弱みとしては、経営資源であるヒト・モノ(サービス)・カネの他、ブランド力、組織力、組織風土、情報などがあります。外部環境である機会と脅威としては、景気、法令などの規制、災害、流行などがあります。

お悩みであれば、脅威としては新型コロナウイルスの影響による旅行客の減少、景気低迷、人口減少などが、機会としてはインバウンド機運、新型コロナウイルス後の旅行ニーズの高まりなどが考えられます。

また、強みは温泉の他、マンガの舞台となったこと、弱みとしては人口減少に伴う財政力の低下などが指摘できます。

このように、4つの面から組織内外の状況を見据えた上で、今後どのような観光事業を行っていくのかを考えていくわけです。そうすると、たとえば、海外向けに動画でのPR、マンガとのコラボなどの新たな展開が見えてきます。

3 活用例
①市のブランディングを考える
行政は、地域振興、福祉、まちづくり、教育など、各分野にわたり均質的に事業を展開します。このため、どの自治体の施策も総花的です。これは市の役割から考えれば仕方ないことですが、「住民から選ばれる自治体」になるのは難しい面があります。「○○市といえば、これ!」というようなブランディングを考えるためには、SWOT分析は有効です。

②組織の方向性を考える
今後の組織の方向性を考えるためにも、SWOT分析は活用できます。例えば、自分の係の強みや弱みを分析し、課内における他の係との関係から機会や脅威を分析すれば、係の方向性が見えてきます。

4 ワンポイントアドバイス
SWOT分析は、1960~70年代に、スタンフォード大学のアルバート・ハンフリーにより構築されました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました