1 お悩み
係長から、今年度の目標を決めて提出するように指示がありました。毎年度実施していることなのですが、正直なところ、何のためにこの目標を設定しているのかよくわかりません。「目標設定の際の参考にするように」と、一緒に部・課・係の目標も渡されるのですが、内容がみなバラバラです。こうなると、目標とは単に形式的なものと思わざるをえないのですが、これで良いのでしょうか。
2 解決法
OKRで、組織全体・各部署・個人の目標を体系化・共有化しましょう。
OKRとは、目標(Objective)と目標達成のための主要な成果(key Results)を指します。目標が組織全体・各部署・個人の各段階で結びつくことで体系化し、また全体で共有します。各段階でO(目標)とKR(主な成果)が設定されます。
O(目標)は、定性的な目標として、抽象的・内面的な表現となります。例えば、「住民が感動するサービスを提供しよう」などです。組織全体の意識を高め、全員がワクワクするような高い目標とします。目標期間は1~3か月です。KR(主な成果)は、定量的な(数値化された)目標です。1つのOに対し、2~5つ程度のKRを設定します。
OもKRも「難しいが不可能ではない」ものとし、60~70%程度達成できれば成功とします。なお、達成度は採点され、KRは0~1もしくは%で示され、KRの平均値がOの点数となります。
お悩みにあるように、実態としては自治体における目標の設定や管理は十分に機能していない面もあります。役職者が率先して改善していかないと、目標は掛け声で終わってしまいます。
3 活用例
①加点主義のツール
OKRの個人の積極的な行動を促すという点では、加点主義のツールとして活用できます。現在の人事評価における目標管理では、「60~70%程度達成できれば成功」とは考えません。このため、係単位など小さな組織単位で、OKRの考え方を活用するのも1つの方法です。
②コミュニケーションツール
現在の人事評価では、基本的に1年間が単位になっています。年度当初の目標が年度途中に見直されることは、ほとんどありません。しかし、OKRを1つのコミュニケーションツールとして考え、年に数回、目標の進捗状況を共有できれば、より組織の成果を高めることができます。
4 ワンポイントアドバイス
OKRは、アメリカのインテル社で生まれ、GoogleやFacebookなどの有名企業が取り入れていることで注目されています。
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