12 なぜなぜ分析で原因を深堀りする

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
先日、窓口で住民から叱責されました。「給付金の申請期限が過ぎて、申請できなかった。そもそも案内文書がわかりにくい」とご立腹でした。案内文書を確認したのですが、確かに長文で書かれており、すぐに理解するのは難しいと感じました。担当者に、なぜこのような文書になったのか確認したところ、「当時、係長が不在で、十分検討しないままに送ってしまった」とのことでした。今回のミスの発生原因は根深く、根本的な原因を探る必要があると思うのですが、どうしたら良いでしょうか。

2 解決法
「なぜ?」を繰り返して、根本的な原因を探る「なぜなぜ分析」を使いましょう

何かしらの問題が発生した場合、表面的な対応では、根本的な解決にならないことがあります。この場合、「なぜ?」を繰り返して、本当の原因を探るのが、「なぜなぜ分析」です。

Cお悩みで言えば、住民が怒っていた(なぜ?)→給付金の申請ができなかった(なぜ?)→申請期限を過ぎてしまった(なぜ?)→案内文書がわかりにくい(なぜ?)→文書が長文でわかりにくい(なぜ?)→担当者が十分検討しないまま送ってしまった(なぜ?)→当時、係長が不在だった…のように、原因を追求していくわけです。

このように、問題の発生原因を深掘りしていくと、「係長が不在であっても、文書を十分検討する組織体制ができてなかった」ことが根本原因であることが明確になります。単に、担当者個人だけの問題でなく、組織としての課題であることが判明するわけです。

この「なぜ?」を何回繰り返せば良いという決まりはなく、真の原因にたどりついたか否かがポイントになります。

3 活用例
①ミスやトラブルの原因分析
例えば、手当の誤支給、議会提出資料の誤り、情報システムのトラブル、組織内の連絡体制の不備など、ミス・トラブルの真の原因を探るためには、「なぜなぜ分析」は非常に有効です。

②事業実績不調の原因分析
例えば、融資事業の決算執行率が低い理由は、住民からの申請件数が少ないとすると、なぜ少ないのかを考える必要があります。そして、金融機関の融資制度と比較してメリットが少ない(なぜ?)→金利が変わらない(なぜ?)…のように深掘りできます。

4 ワンポイントアドバイス
「なぜなぜ分析」の結果、「係長が悪い」など属人的な原因で終わらせてしまっては意味がありません。これでは、あくまで犯人捜しになってしまい、組織としての課題を見つけられません。

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