1 概 要
研修の技法には、職場内研修(OJT)、ディベート、バズ・セッション、パネル・ディスカッションなどがある。
2 研修の技法
研修の手法には、非常に多くのものがあります。代表的なものを以下にまとめます。
(1)職場内研修(OJT)
On the Job Training の略。管理監督者が指揮命令者と教育訓練者としての立場を兼ねて、日常の職務の遂行を通じて行う研修です。個々の職員の課題を踏まえた上で目標を設定し、職務を通じて指導を行い、成果をフィードバックすることで職員の能力の向上をはかります。
OJTの長所としては、①個々の職員に適した訓練ができる、②業務を中断する必要がない、③経費がほとんどかからないことがある一方、短所として、①指導する者の資質に左右されること、②職場により実施状況が異なること、などが指摘されています。
(2)ディベート
ディベートとは、1つのテーマについて異なる2つの立場から議論を戦わせ、最後に審判により勝敗が判断されます。論理的な思考力を養います。
様々な教育目的のために行われるディベートを教育ディベートといいますが、基本的な流れとしては、①肯定側立論、②否定側反対尋問、③反対側立論、④肯定側反対尋問、⑤反対側反駁、⑥肯定側反駁、⑦判定、などとなります。
(3)バズ・セッション
討議に用いられる手法。参加者を少人数のグループに分けて自由討議を行い、そこで得られた結論を代表者が発表し、参加者全体としての討議を進めます。バズとは蜂のブンブンという羽音のことで、討議が活発に行われる様子を指します。
(4)パネル・ディスカッション
一定の議題について、数人の専門家、学識経験者等が意見を発表し、その後に一般の参加者が質疑や意見を述べる方法です。多数の参加者が行う討論に適しています。
(5)フォーラム
一人の講師が講義を行い、司会者の進行によって参加者が質疑討論を行う方式。講義の後、少人数のグループに分かれて討論した上で質疑討論する方法も用いられます。講義の後に質疑と討論があり、講義の内容を参加者全員が掘り下げ、理解を深めることができます。
(6)ケーススタディ
事例研究法と呼ばれるもので、ハーバードビジネススクールで発展し、広がったもの。①実務に即した事例の作成、②事例の提示、③討論、④解決案の検討、⑤原理の一般化、という順序で行われます。ケーススタディは、実際的な判断力を養い、自主的研究を助長するという長所があります。
(7)ロールプレイング
役割演技法と呼ばれるもので、実際の出来事に類似した場面を設定し、参加者に役を演じさせて、必要な行動や考え方を習得さえようとするものです。管理職前の昇任研修で組合交渉を行ったり、新任研修で窓口での住民対応を行ったりするなど、幅広く行われる研修技法です。
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