46 研 修

地方公務員法

1 概 要
①地方公共団体は、職員の勤務能率の発揮および増進のため、研修を受ける機会を与えなければならない。
②地方公共団体は、研修の目標や計画などの基本的な方針を定める。
③人事委員会は、研修に関する計画の立案その他研修の方法について任命権者に勧告することができる。

2 研修の目的と種類
地方公共団体は、職員の勤務能率の発揮および増進のため、研修を受ける機会を与えなければならないとされています(地公法39条1項)。これは行政が最少の経費で最大の効果をあげるためには、職員が最大限の能力を発揮することが求められていることが背景にあります。社会の進展に伴い、行政も多様化・複雑化しています。このため、職員の能力を向上させ、対応力を高めようとするのです。

なお、研修を実施するのは任命権者とされています(地公法39条2項)。ただし、これは任命権者自らが主催して行う研修だけでなく、他の機関に委託して行う場合や特定の教育機関へ入所を命じた場合も含むものとされています。また、研修の種類としては、次のように区分できます。

項 目 内 容
対象職員による種別 新任研修、現任研修、管理職研修、係長研修、課長研修など
実施主体による種別 ①任命権者自ら実施する研修 ②市町村が都道府県に委託して行う研修 ③自治大学校などへの派遣研修 ④通信教育による研修 など
内容による種別 ①一般教養に関する研修 ②職務内容別研修
研修場所による種別 ①職場内で行われる研修(OJT) ②職場外で行われる研修(Off JT)
期間による種別 ①長期研修 ②短期研修

3 研修に関する基本的な方針
地方公共団体は、研修の目標や計画などの基本的な方針を定めることとされています(地公法39条3項)。これは、任命権者が実施する研修が、地方公共団体として統一的な方針の下に行われるべき、との考えがあるためです。地方公共団体の長が、各任命権者と調整を行いながら、方針を定めることとなります。

研修目標とは、研修で得られる知識や経験などをいい、例えば、新任研修であれば、地方自治法や地方公務員法の概要を理解するなどとなります。また、研修計画は、職場研修の指導体制や職場外研修の日程の設定などが該当します。また、職員の職位に応じて、どのような能力を身に着けさせるかということも当然関係してきます。

4 人事委員会の勧告
人事委員会は、研修に関する計画の立案その他研修の方法について任命権者に勧告することができます(地公法39条4項)。研修を実施するのは各任命権者ですが、人事委員会は任命権者の研修の実施に参考となるような助言、勧告等を行うこととなります。

これは、研修は専門的な側面があることから、任命権者によってばらつきが出ないようにするため、このような権限が人事委員会に付与されています。

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