昇任試験では論文や面接などの成績だけでなく、日頃の業務実績も重要です。それは、勤務評定や人事評価という形で、総合的な評価に反映されるからです。かつては、筆記試験の成績が良ければ合格できたこともありましたが、現在では、そんなことはありません。では、どのように業務に取り組めば、良い評価が得られるでしょうか。
第一に、単に与えられたこと、言われたことだけをするのでなく、プラスアルフアをすることです。与えられたこと、言われたことをそのまま行うだけでは、マイナスの評価にはなりませんが、プラスにはなりません。「その他大勢の中の 1人」と同様に、目立たないワンオブゼムにすぎないのです。これでは、良い評価にはなりません。
では、プラスアルフアとは何でしようか。それは、現状を変える提案です。具体的には、定例的な業務を見直して事務改善を行う、住民向けのチラシをよりわかりやすくするための提案を行う、予算要求にあたり事業の実施方法を見直すなど、いろいろあります。新規事業を提案するなどの大きなことでなく、自分が従事している業務を少し工夫するだけで十分です。それだけでも、前例踏襲の公務員の世界ではインパクトがあります。
第二に、依頼された内容については、相手の期待値を越える成果で応えることです。例えば、「9月4日までに この集計作業をしておいて」と依頼されたら、それよりもかなり早い期日に作業を終了させて相手に渡します。また、「これについて調べておいて」と言われたら、依頼された事項だけでなく、関連する事項についても調べておき、併せて報告するのです。
このように、相手の期待値を仮に100 %とするなら、120 %で応えるわけです。そうすれば、相手はもちろんのこと、周囲の見る目も変わってきます。そして、そうした評判は人事評価を行う課長などにも、自然と聞こえてくるものです。
人並み以上の業務実績とは、あくまで業務上の実績であって、上の人間に気に入ってもらうことが必要という意味ではありません。たまに、「試験に合格するためには、課長に気に入られることが必要」と考える人がいます。課長が帰るまでは帰らない、とにかく課長の言うことに迎合するなどですが、これは疑問です。本当にできる上司であれば、そうした表面的な態度は見透かされてしまうからです。
上記のように、人並み以上の業績評価を残すことができれば、高い評価を得ることができるはずです。ただ、そもそも試験合格のためだけに こうした態度を取るのであれば、本当にそうした姿勢で良いのか、問い直す必要があるように思いますが…
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