これまで、昇任試験を受験するか否かの判断材料などについて、述べてきました。以上を踏まえた上で、「受験しよう」と決意したら、あとは合格を目指すのみです。ただ、その前に「昇任したい本当の理由」だけは、必ず自覚しておきましょう。これは、自分自身の心の中だけに留めておくもので、他の人に言う必要はありません。これを自覚しておかないと、昇任後のハードな仕事や受験勉強に耐えられないからです。昇任後に、「なんで、自分は昇任したんだろう」などと、迷ってしまうことが起きてしまうのです。
昇任後の仕事においても、受験生活にとっても、「昇任したい本当の理由」はとても重要です。それは、受験勉強やきつい仕事を乗り越える原動力になるからです。面接対策として、表向きの昇任理由を考えますが、それとは別です。「もっとお金がほしい」、「妻(夫)から言われている」、「多くの同期が昇任しているから」、「あんな課長より、自分の方がもっと上手くできるはずだ」、「課長になれば、きっとモテるはずだ!」など、もっと生々しい本音です。
こうした本音を自覚しておくことがポイントです。なぜなら、昇任後につらい出来事に直面して「なんで、自分は係長になってしまったんだろうか」と迷っても、本音をはっきりと自覚していれば「お金のためと割り切って、頑張ろう」、「あんな課長だって乗り越えたのだから、自分にできないはずはない」などの気持ちが出てくるのです。そうすれば、つらい出来事も乗り越えることができます。
しかし、こうした本音を自覚していなと、迷いが深くなってしまいます。そして、「あ~、係長になんてなるんじゃなかった」と嫌々業務を行うことになってしまうのです。そうすると、当然のことながら、自分のモチベーションも下がったままとなり、そして業務の実績も悪くなる、さらにモチベーションが下がるという悪循環が生まれてしまうのです。これでは、何のために昇任試験を受けたのかわからなくなってしまいます。
もちろん、こうした本音を人に向けて言う必要はありません。それは、自分の支えとなっているだけで十分です。対外的には、面接試験の「なぜ、あなたは昇任したいのですか」の答えのような表向きの理由だけを言っておけばいいのです。
また、昇任したい本当の理由を自覚することは、長い試験勉強を持続するためにも効果的です。「仕事も忙しい上に試験勉強も大変だけど、ここを乗り越えれば、年収アップが現実になる!」と思えば、苦しい勉強に耐えるごとも可能となります。いずれにしても、昇任したい本当の理由をきちんと自覚しておくことは、とても重要なのです。
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