34 予算制定の流れ 

地方自治法

<ポイント>
①長は予算の調製権・執行権を持ち、議会は予算の議決権を持つ。
②予算を議会に提出できるのは長のみ。
③予算の成立には議会の議決が必要だが、議決には、①原案可決、②原案否決、③原案修正の3つがある

1 予算の調製とは
調製とは、一般に「きまりなどに合うように、ととのえてつくること」をいう。

予算の調製という場合、具体的には①予算編成方針の決定、②予算要求書の提出、③予算の査定、④予算の組み立ておよび⑤議会への予算案の提出という一連の手続きを意味する(『非営利用語辞典』(非営利法人研究学会編))を指すことがある。

長は予算の調製権・執行権を持ち、議会は予算の議決権を持つ。

予算の調製権は長に専属するため、教育委員会・選挙管理委員会等の予算も長が調製する。ただし、教育委員会の予算については、教育委員会に意見を聞かなければならない。

また、地方公営企業の予算については、企業管理者が予算の原案を作成し、これに基づき長が調製する。

2 予算の提出時期
予算を議会に提出できるのは長のみで、行政委員会や議員はできない。長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。

長は、遅くとも年度開始前、都道府県・指定都市は30日前、市町村は20日前までに当該予算を議会に提出しなければならない。

3 予算の議決
予算の成立には議会の議決が必要だが、議決には、①原案可決、②原案否決、③原案修正の3つがある。

修正には、長の提案権を侵害しない程度の増額、もしくは減額の2つがある。

4 予算の送付・公表
議長は、予算を議決してから3日以内に長に予算を送付する。

長は、再議等の措置を講じないときは、予算の要領を住民に公表する。

【参考】予算編成のプロセス

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