33 分限処分の内容

地方公務員法

1 概 要
①分限処分の種類は、免職、降任、休職、降給の4つがある。
②分限処分の事由は、地方公務員法または条例で定められる。

2 分限処分の種類
分限処分は、公務の能率の維持およびその適正な確保という目的から、一定の事由がある場合に、職員の意に反する不利益処分を行うことです。分限処分の種類は、重い処分から軽い処分の順番に、免職、降任、休職、降給の4つとなります。

(1)免職
分限処分の免職は、公務能率を維持する見地から職員の意に反して、その職を失わせるものです。身分を失わせる点では、懲戒処分の免職と同様ですが、処分の目的が異なります。

また、懲戒免職の場合は、退職手当の全部または一部が支給されない、年金も減額されますが、分限免職の場合にはこうした不利益はありません。なお、免職の事由は地方公務員法で定められます。

(2)降任
降任とは、職員をその職員が現に任命されている職よりも下位の職制上の段階に属する職員の職に任命することです(地公法15条の2第3項)。降任の事由は地方公務員法で定められます。

(3) 休職
休職とは、職員に職を保有させたまま、一定期間、職務に従事させない処分です。職務に従事させない点では、懲戒処分の停職と同様ですが、両者の目的は異なります。

また、停職の場合は、給与が支給されませんが、休職の場合は給与の全部または一部が支給されます。休職の事由は、地方公務員法または条例で定められます。

(4)降給
降給とは、職員が現に決定されている給料の額よりも低い額の給料に決定する処分です。懲戒処分の減給も給料を減額するものですが、それは一定期間に限られますが、降給の場合は給料額そのものを変更します。

なお、降任に伴い給料の額が下がるのは降給ではありません。また、例えば、教員が教育委員会の一般事務職に転任し、職務と責任が変更されたことにより給料が下がる場合も降給ではありません。降給の事由は、条例で定められます。

3 分限処分の事由
分限処分の事由は、地方公務員法または条例で定められます。その内容を整理すると、以下のようになります。

項 目 事  由
免職・降任 ①勤務実績が良くない場合
②心身の故障のため。職務の遂行に支障があり、またはこれに堪えない場合
③①・②の外、その職に必要な適格性を欠く場合
④職制・定数の改廃、予算の減少により廃職または過員を生じた場合
休 職 ①心身の故障のため、長期の休養を要する場合
②刑事事件に関し起訴された場合 ③条例で定める場合
降 給 条例で定める場合

4 分限処分の手続と効果
分限処分の手続と効果は、条例で定めなければなりません。これは、その重大性に鑑み、分限処分の手続についても保障を行って職員の利益を擁護することとし、その効果についても条例で限界を明らかにすることとしているのです。

なお、分限処分は書面を交付して行わなければならないとされています。

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