30 昇任論文の悪い例⑩ 与えられたテーマに答えていない

論文対策

受験生が失敗してしまう論文として、最も多いのが「与えられたテーマに答えていない」論文です。これまで論文を書いた経験のない人だと、「そんなことあるの?」 と思うかもしれませんが、 こうした答案は結構多いのです。

<ポイント>
与えられたテーマに答えていない論文になってしまう理由
1 テーマから外れてしまう
2 準備論文に引きずられてしまう

1 テーマから外れる
例えば、テーマが「少子高齢化対策」とします。この場合、「少子化」と「高齢化」が内容ですから、「保育園の整備」、「子育て支援」、「認知症対策」、「高齢者の生きがいづくり」などが、論文の解決策として考えられます。

しかし、この「少子高齢化対策」がテーマであるにも関わらず、「人口減少対策」を書いてしまう論文があります。これは、「今後、少子高齢化が加速すると、人口減少も進展する。このため、人口減少対策が重要である」のような論理展開をしてしまうのです。

「人口減少対策」であれば、「移住の促進」、「若者の就労支援」などになってしまいます。しかし、テーマ「少子高齢化対策」に対して、解決策が「移住の促進」、「若者の就労支援」では、かみ合いません。

これでは、採点官は疑問に思ってしまいます。受験生としては、「少子高齢化対策」→「人口減少対策」→「移住の促進」・「若者の就労支援」のつもりかもしれません。

しかし、採点官は「少子高齢化対策」→「移住の促進」・「若者の就労支援」としか判断しませんので、「これはテーマに答えていない」と判断して、低評価になってしまうのです。

2 準備論文に引きずられてしまう
例えば、テーマが「成果を高める職場運営」だとします。

この場合、試験当日の論文では、あくまで「成果を高める職場運営が重要である」、「成果を高める職場運営のためには、次の3点が重要である」のように、「テーマに沿って答えていること」を採点官に示す必要があります。

しかし、準備していた論文が「職場の活性化」だとすると、それに引きずられて、論文を書いてしまうことがあるのです。

具体的には、「職場の活性化が重要である」、「職場の活性化のためには、次の3点が重要である」などと書いてしまうのです。

これも、やはり採点官は「テーマとは違うな」と判断してしまうでしょう。そして、テーマに答えていなければ、いくら論文の内容が良くても、高評価にはなりません。

こうした場合、「成果を高める職場運営のためには、職場の活性化が重要である」として論文を書き進める方法があります。

「成果を高める職場運営」ためには、特に「職場の活性化が重要」として、よりテーマを絞って論じるわけです。これは、準備論文を当日のテーマに関連付ける手段の1つですが、こうした技術が受験生には求められるのです。

論文の書き方は、次の書籍がおススメです!

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