昇任面接でになると、急に強権的な回答をする人がいます。「自分が指導して、部下を従わせる!」のような回答です。これも、困る回答です。
<ポイント>
1 強権的な回答とは
2 求められるバランス感覚
1 強権的な回答とは
強権的とは、次のような回答です。
「私は係長として、係員に対して、毎日の業務終了時にはその日の業務報告をさせます」
「予算要求の際には、費用対効果の視点からすべての事業について見直し、最低1つの改善点を見つけるように部下に指示します」
「業務が集中する際には、たとえ家の事情があっても、残業するように命じます」
このように回答してしまう受験生は、日頃から強権的な人物なのではありません。しかし、「係長試験」、「管理職試験」と聞くと、「リーダーシップを発揮しなければならない」と強く感じてしまい、このような強権的な回答になってしまうことが多いのです。
もちろん、組織の長として、リーダーシップを発揮することは重要ですが、それが強権的である必要はありません。かえって、回答の内容が部下の意向を無視するものであったり、一方的な命令であったりすれば、面接官は「この受験生は、部下と上手くやっていけるだろうか」と心配してしまいます。
実際に、昇任後に一方的な命令を発する課長になってしまい、部下から総スカンを食ってしまった人がいました。その課長は、長年、官房系のべテランの係長で周囲ともうまくやっていました。50代後半になってから課長に昇任したのですが、職員が多い事業課の課長になりました。
そこで、強権的な命令を乱発するようになりました。その結果、部下から反発されてしまい、全く部下が指示に従わなくなってしまいました。その結果、課長はメンタルに問題を抱えてしまい、係長に降任したのです。
このように、強権的な命令をする職員は、組織としても危険なのです。単に面接上のテクニックの問題ではなく、昇任後のマネジメントを考えると、やはりそのような回答をする受験生は昇任させにくいわけです。
2 求められるバランス感覚
やはり、ここでも求められるのは、理想と現実のバランス感覚です。確かに長のポストの職員には、リーダーシップを発揮することが求められます。
しかし、軍隊のような組織ではありませんから、強権的な命令だけで部下を動かすことは困難です。では、実際にどのようにするのか。この点を面接官が納得するように、説明していかねばなりません。
強権的なことがすべてダメというわけではありません。例えば、なかなか指示に従わない職員がいる、課長が係長間で調整するように指示したものの結論が決まらない、などの場合は、強権的な指示も必要になってきます。
しかし、これは最後の手段であって、最初から行うべきものではありません。
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