24 行政委員会制度

地方自治法

<ポイント>
①行政委員会とは自治体における執行機関の1つ
②行政委員会制度の設置理由は、多様な行政運営を適切に行うには、長だけでなく複数の機関に分担させることが適当であるため
③長には総合調整権がある

1 行政委員会とは
(1)行政委員会とは
行政委員会とは自治体における執行機関の1つ。

基本的には、複数の委員によって構成される合議制の機関であるが、監査委員のみは単独でも活動できる独任制の執行機関となっている(このため、監査委員会とは言わない)。

行政委員会制度の設置理由は、多様な行政運営を適切に行うには、長だけでなく複数の機関に分担させることが適当であるため。これにより、政治的中立性、専門技術性等を確保する。

委員会又は委員は、その権限に属する事務の一部を、長と協議して、長の補助機関等に委任又は補助執行させ、又は専門委員に委託して必要な事項を調査させることができる(自治法180条の7)。

(2)行政委員会の設置状況
行政委員会の設置状況は、以下のとおり。

都道府県・市長村共に設置 都道府県のみに設置 市町村のみに設置

教育委員会
選挙管理委員会
人事委員会(公平委員会)
監査委員

公安委員会
地方労働委員会
収用委員会
海区漁業調整委員会
内水面漁場管理委員会
農業委員会
固定資産評価委員会

2 行政委員会と長との関係
(1)長の総合調整権
執行機関は、長の所轄の下に相互の連携を図り、すべて一体として行政機能を発揮するようにしなければならないとされている。このため、長には総合調整権がある

(2)長との協力関係
行政運営の円滑化・能率化のため、各執行機関が協力するための方法が定められている。

①権限の委任・補助執行
長は、行政委員会と協議して、長の権限に属する事務の一部を、委員会・委員長・委員もしくはこれらの執行機関の事務を補助する職員等に委任し、またはそれらの補助職員等に補助執行させることができる。

また、行政委員会も、長と協議して、行政委員会の権限に属する事務の一部を、長の補助職員等に委任し、または補助執行させることできる。

②職員の兼職及び事務従事
長は、委員会・委員と協議して、その補助機関である職員を、行政委員会の補助職員等と兼ねさせ、もしくはその補助職員等に充て、または行政委員会の事務に従事させることができる(自治法180条の3)。

この具体的な方法として、当該職員への兼務や事務従事の発令や職務命令がある。

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