21 地方債計画 

自治体財政

1 概 要
①地方債計画とは、毎年度、国が策定する自治体の地方債発行見込み額、その資金の内訳を示したもの
②地方債計画の内容として、資金別、事業別、会計別の状況がわかる
③地方債計画は、財政投融資計画・地方財政計画と密接に関連している

2 地方債計画とは
地方債計画とは、毎年度、総務省が地方債同意・許可の運用上の基準とするため財務省と協議して策定する地方債の年度計画で、地方財政法5条の3第11項に規定されています。

簡単にいえば、毎年の年末頃に発表される、来年度の地方債の発行予定額です。

地方債計画の役割としては、以下のとおりです。
①地方債の同意(許可)の基準(この計画に基づき、地方債が同意される)
②地方債の原資の保障(地方債の原資を事業別に予定し、資金供給先別の内訳を示す)
③自治体の財政運営の指針(地方債計画は地方財政計画と同様に公表され、事業別の地方債の見通しを示す)

3 地方債計画の内容
地方債計画では資金別、事業別、会計別の状況がわかります。

資金別とは、地方債を借入先(貸し手)で分類したもので、公的資金(財政融資資金、地方公共団体金融機構資金)と民間等資金(市場公募資金、銀行等引受資金)に分類したものです。

事業別とは、一般会計債と公営企業債に分類するものです。一般会計債には、公共事業、公営住宅建設事業、災害復旧事業、教育・福祉施設等整備事業などがあり、公営企業債は、水道事業、交通事業、港湾整備事業、病院事業・介護サービス事業などがあります。

会計別とは、普通会計分と公営企業会計分に分類したものです。普通会計とは、一般会計及び企業会計以外の特別会計を合算して、会計間の資金の移動を控除したものをいいます。

4 財政投融資計画と地方財政計画との関係
この地方債計画は、財政投融資計画と地方財政計画と密接な関連があります。地方債計画も含め、いずれの計画も国の予算に並行して策定さるものです。

財政投融資とは、国が国債(財投債)を発行して資金を調達し、その資金を自治体などに供給することにより、自治体などは事業の実施を可能となります。

こうした事業の実施を可能とするための投融資活動(資金の融資、出資)です。

財政投融資計画は、財政融資、産業投資、政府保証による資金供給の予定額について、個別の財投機関(自治体など財政投融資を活用している機関)ごとに一覧表にしたもので、毎年度の予算編成に合わせて策定され、法律に基づき国会に提出されています。

また、地方財政計画は、地方交付税法第7条の規定に基づき作成される地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類で、国会に提出するとともに、一般に公表されるものです。

そこで、まず地方債計画と財政投融資計画との関係ですが、自治体は財政投融資を活用している財投機関の1つです。

このため、財政投融資計画における自治体への貸付分として計上され、地方債計画においては資金別の財政融資資金に対応します。

次に、地方債計画と地方財政計画との関係ですが、地方財政計画が歳入歳出総額の見込みであるから、地方債は歳入の1つとして計上されることとなります。これに対応するものが、地方債計画の普通会計分となります。

このように、地方債計画、財政投融資計画、地方財政計画は密接な関連があります。

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