20 給 与

地方公務員法

1 概 要
①給与とは、公務員が提供した勤務に対する反対給付として支給される報酬のこと。
②給与は、給料と諸手当に区分される。
③非常勤職員の給与のことを報酬という。

2 給 与
給与とは、公務員が提供した勤務に対する反対給付として支給される報酬のことをいいます。労基法11条では、「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」としており、給与は、この賃金の定義と同様とされています。

また、給与は給料と諸手当に区分されます。給与とは、常勤職員に対し、職務の複雑、困難及び責任の度合いに応じて、給料表に基づき支給される職員の正規の勤務時間の勤務に対する報酬です。正規の勤務時間外の勤務に対する報酬および正規の勤務時間に必ずしも直接対応しない報酬は各種の手当で措置されています。給料表は職務の種類に応じてそれぞれ別個の給料表を条例で定める必要があります。

諸手当とは、一般に給料に加給された従たる給与です。給料で措置するには適さない事項などについて、給料の補充的給与として支給されるものです。条例で規定することにより支給することができる手当の種類は、自治法に限定列挙されています(地自法204条2項)。

3 報 酬
非常勤職員の給与のことを報酬といいます

非常勤職員に対する報酬については、普通地方公共団体は、非常勤の職員(短時間勤務職員等を除く)に対し報酬を支給しなければならないとされています(地自法203条の2第1項)。常勤職員の給料とは異なり、報酬は生活給としての性格を持たず、原則として勤務量に応じ支給されます。

ただし、条例で特別の定めをすれば、勤務日数によらず報酬を支給することも可能です(地自法203条の2第2項)。

4 給与改定
給与改定とは、給料表に定める給料額及び諸手当の額を増減し、職員の水準を変更することをいいます。

公務員の給与は、社会一般の情勢に適応するよう、随時適当な措置を講じなければならないという情勢適応の原則があります(地公法14条)。これに基づき、国では人事院が、人事委員会を置く自治体では人事委員会がその役割を担っています。

人事委員会は、議会及び長に対して給与の勧告を行います。人事委員会は毎年少なくとも1回、給料表が適当であるか、議会及び長に報告します。給与を決定する諸条件の変化により、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、あわせて適当な勧告をすることができることになっています(地公法26条)。

これは、公務員は団体交渉権や争議権等が制限されているための代償措置でもあります。なお、人事委員会を置かない団体については、情勢適応の原則に従って適切に実施することになります。

地方公務員の給与決定については、基本的に国家公務員の取扱いに準じて措置されるべきものとされています。人事院勧告が出された後、国の人事院勧告の取扱いや給与改定の動向に留意し、人事委員会を置く団体にあたっては人事委員会の報告・勧告を踏まえて給与改定を行うこととなります。

なお、給与改定率とは、改定すべきと勧告された給与額の現行平均給与額に対する比率のことをいいます。


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