できるだけ効率的に業務を進めるためには、自分が担当する業務だけが効率的であれば良いというものではありません。係や課などの組織としても、効率的に運営されていることが必要となります。例えば、せっかく職員が支出の起案文書を早期に作成しても、係長がなかなか決裁しなかったら、結果的に早期に作成した意味がなくなってしまいます。
このケースであれば、「係長、この支出は10日までに行う必要があるので、早めにお願いします」などと一言添えるだけで、決裁のスピードは変わってくるはずです。このように、自分の業務についてこまめに周囲に伝えておくことは、仕事を円滑に行うためには重要で、「残業ゼロ」のためには欠かせない技術です。
「報告」「連絡」「相談」のいわゆる報連相は、自分の業務状況を周囲に開示することであり、非常に重要なのです。この報連相のメリットは、大きく2つあります。
第一に、リスクを分散させられることです。例えば、担当業務について住民からクレームがあったとします。この場合、1人で抱え込んでしまうと、すべてを自分1人で背負うことになり、精神的にきつくなってしまいます。また、後に「市長へのメール」などで問題が大きくなってしまっても、誰にも相談していなければ、上司である係長なども「知らなかった」で済まされてしまいます。
しかし、クレームが発生した時点で、係長に相談しておけば、係長が代わって対応してくれるかもません。仮に、そうでなくても、このクレームは単に担当職員1人だけの問題でなく、係としての問題になります。そうすれば、担当職員の気も楽になるはずです。このようにリスクを分散できるのです。
第二に、自分が不在時であっても、業務に支障が起きにくくなることです。先に述べたように、報連相は、自分の業務状況を周囲に開示することです。このため、例えば出張や急病などで、自分が職場にいない時であっても、周囲の職員は、ある程度の状況がわかっていれば対応することが可能となります。他部署、住民、事業者などから間い合わせがあったとしても、代わりに答えてくれるわけです。
「いちいち報連相をするなんて、面倒くさいな」と思うかもしれません。しかし、報連相は、結果的に自分にとってとてもプラスになるものなのです。意識的に報連相を行うことで、組織内のコミュニケーションが円滑になれば、組織としての成果も高まってきます。
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