１ 概 要
①会計年度任用職員とは、地方公務員法に定められた一般職の地方公務員で、任期の定めのある非常勤の職員
②会計年度任用職員制度は、従来の臨時・非常勤職員制度に課題があったために創設された
２ 会計年度任用職員制度がつくられた理由
平成29年（2017年）に地方公務員法・地方自治法が改正され、令和2年（2020年）4月より会計年度任用職員が導入されることとなりました。
それ以前には、臨時・非常勤職員には次の3種類がありました。
①特別職非常勤職員…主に特定の学識・経験を必要とする業務
②一般職非常勤職員…補助的な業務
③臨時的任用職員…緊急・臨時の業務
しかし、従来の臨時・非常勤職員制度については、以下のような課題がありました。
①本来、専門性が高い者が就く「特別職」であるにも関わらず、通常の事務職員も「特別職」で任用している
②採用方法等が明確に定められていないため、一般職非常勤職員としての任用が進まない
③労働者性の高い非常勤職員に期末手当の支給ができない
以上のことから、会計年度任用職員制度がつくられました。法改正の目的は、以下のとおりです。
①特別職の任用及び臨時的任用の厳格化
②一般職の非常勤職員の任用等に関する制度の明確化
③会計年度任用職員への期末手当の支給が可能となるように給付に関する規定を整備
３ 会計年度任用職員の勤務条件等
(1)任用
・任期は、１会計年度の範囲内
・競争試験または選考による客観的な能力の実証により任用される
・任用期間、勤務日数又は勤務時間の長短等にかかわらず、条件付採用が適用（再度の任用におい
ても条件付採用期間がある）
・フルタイムとパートタイムの2種類がある
(2)服務及び懲戒
・服務に関する各規定（職務専念義務、政治的行為の禁止等）が適用され、かつ、懲戒処分の対象
・パートタイムの会計年度任用職員は、営利企業への従事等の制限の対象外
(3)再度の任用
・再度の任用がなされた場合でも、「同じ職の任期が延長された」、「同一の職に再度任用された」という意味ではなく、あくまで新たな職に改めて任用されたもの
・繰り返し任用されても、再度任用の保障のような既得権が発生するものではない（任期ごとに能力実証を行う）
(4)給与
・初任給は、職務経験等の要素を考慮して定められる
・給与水準は、基本的には常勤職員の給料表に紐付けた上で、上限が設定される
・通勤手当、時間外勤務手当、期末手当等が支給される
・フルタイムについては、退職手当が支給される場合もある
(5)勤務時間・休暇
・職務の内容や標準的な職務の量に応じ、適切な勤務時間が設定される
・国の非常勤職員との権衡の観点等を踏まえた休暇等の制度がある
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