16 議員対応① 無理な要求があったとき

議会対策

「議員に、どのように対応するか?」-これは、自治体の管理職であれば、誰でも頭を悩ますことでしょう。そのような、議員対応についていくつかのケースを考えてみたいと思います。

まず、無理な要求があったときです。例えば、公立学校には通学区域が決められています。原則、その通学区域に住む子どもであれば、決められた学校に行きます。しかし、市内で良い学校と評判のところへ行きたいために、指定された学校ではないところに行きたい。そのため、それを議員に依頼するようなことがあります。

確かに指定校以外に行く例外規定もあるのですが、今回のケースはそれには当てはまりません。担当課長としては、「特別扱いはできません」と断らなければいけません。これをどのように説明するかが問題です。

こうした場合、「仮に入学しても、その後が大変だと思いますよ。『なぜ、この子は特別に入学できたんだ』と、他の親から苦情が来てしまうかもしれませんし。そうすると、子どもへのいじめにつながる可能性もあります」などと、予想される悪い事態を伝えるのが効果的なように思います。

議員も住民から依頼されていますので、何とかそれに応えたいと思っています。しかし、「将来、いじめに遭うかもしれません」と言われれば、さすがに躊躇するかもしれません。このように、「特定の住民を優遇しろ」というケースは、少なくありません。保育園の入園、職員採用などもあるようです。

こうしたケースでは、管理職は、ある意味では防波堤の役割を果たすことになります。しかし、こうした議員からの無理な要求を受け入れてしまう管理職も、実際にいます。議員のことを恐れていたり、「議員と上手くやっていくことが管理職の役割だ」と考えていたりするからです。

こうした管理職の場合、「大人の事情だ」と部下に説明して、無理強いをさせるようです。しかし、そのような課長の姿を見て、部下が何を考えるかは、推して知るべしです。

また、このように無理な要求を一度受け入れてしまうと、「この課長に頼めば、何とかしてくれる」と思われてしまい、その後、議員との関係も固定化してしまう恐れもあります。それは、かなり危険なことだと思うのですが。

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