14 議員の質問タイプ②認識確認型

議会対策

議員の質問には、「〇〇について、市はどのような認識を持っているのか」など、執行機関の認識や見解を確認するものがあります。

〇〇には、「市政における最大の課題」、「現在の急速な少子高齢化」、「老朽化したインフラへの対応」など、様々なものが考えられます。この執行機関の認識・見解を示すことに、どのような意味があるのか、と考える方もいるでしょう。

第一に、課題に対する市の位置づけが明確になります。例えば、かつて保育園の待機児童対策が急務だった頃、多くの自治体で市政において最優先になっていることがありました。こうした場合、予算や人員をその分野に厚く手当することを意味します。

反対に、その他の分野は優先順位が下がることを表明していることになります。このため、例えば、議会から「もっと、特養ホームを増やすべきでは」との追及があっても、「現在は、待機児童対策が優先ですので」と言い訳することが可能となるのです。

第二に、首長の立候補表明に使われることです。例えば、統一地方選が近く予定されている場合、与党系議員が首長に対してこれまでの実績と地方選に対する認識について質問し、首長は自分の実績を誇った上で、出馬を表明するわけです。

これは、どこの議会でも行われているやり取りで、首長は議会で出馬を表明することが一般的です。そのお膳立てを与党系議員が行うわけです。ある意味では、お決まりのお約束と言えるかもしれません。

第三に、首長の政治信条の表明に使われることです。こうした執行機関の認識や見解を確認する質問では、市政に直接関係のない国政や社会状況を尋ねる議員がいます。具体的には、外交や防衛問題、税制度、社会保障費など、国や都道府県に関わるものです。

こうした際に、市政に直接の関係がないため、「動向を注視してまいります」などと態度を表明しないこともありますが、「極めて遺憾であります」、「〇〇すべきでないと考えております」のように首長の政治信条などを示すことも少なくありません。例えば、某国によるミサイル発射や他国への侵攻問題などは、それに該当します。

この3点目については、執行機関全体の考えというよりも、首長個人の色がより強く出されるという意味で、1点目とは異なります。ただ、1点目と3点目の違いは、そこまで明確ではないことも少なくありません。

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