1 概 要
①「公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」に基づき、任命権者のいない公益的法人や第三セクター等へ職員を派遣する制度がある。
②この制度では、公益的法人などへの職員派遣制度と、特定法人への退職派遣制度の2つがある。
2 公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律
職員を派遣する方法としては、自治法派遣・派遣研修以外に、公益的法人等への派遣があります。これは「公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」に基づき、任命権者のいない公益的法人や第三セクター等へ職員を派遣するものです。
3 公益的法人などへの職員派遣制度
この制度は、任命権者が、一般社団法人・一般財団法人・一般地方独立行政法人・地方六団体(全国知事会・全国都道府県議会議長会・全国市長会・全国市議会議長会・全国町村会・全国町村議会議長会)などのうち、その業務が地方公共団体の事務・事業と密接に関連するもので、かつ地方公共団体の施策の推進を図るため人的援助が必要であるものとして条例で定めるものとの間の取り決めに基づき、職員の同意を得て、当該職員を派遣するものです。
派遣期間は原則として3年間ですが、特に必要がある場合は5年まで延長することができます。その期間中の給与については派遣元の地方公共団体からは原則支給されないものとされています。
しかし、地方公共団体の委託を受けて行う業務、地方公共団体と共同して行う業務に従事する場合などには、条例で定めて支給することもできるとしています。また、この給与の支給について、地方公共団体が、相手方の法人に対して、派遣された職員の給与相当額を委託料や補助金として交付することはできないとされています。
なお、上記のように派遣元から原則として給与は支給されませんが、地方公務員としての職は保有したままとなります。
4 特定法人への退職派遣制度
この制度は、任命権者が、当該地方公共団体が出資している株式会社のうち、その業務が公益の増進に寄与するとともに地方公共団体の事務・事業と密接な関連を有するものであり、かつ地方公共団体の施策の推進を図るため人的援助が必要であるとして条例で定めるものとの間の取り決めによって、職員に退職を要請し、これに応じて退職した職員を業務に従事させるものです。
派遣期間は3年以内に限られ、期間満了した場合には欠格条項に該当するなどの場合を除き、任命権者はその職員を採用するものとされています。この制度は、いったん退職しますので、派遣期間中は地方公務員としての職は保有しません。
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