公務員が作成する文書・資料のうち、定期的に使用するものは、フォーマット (定型書式)を決めておいた方が楽です。なぜなら、文書・資料の作成の度に、最初から書式を考えなくて済み、時間の節約につながるからです。その対象として、会議録、報告書、住民宛の通知・案内文書、集計表などがあります。
会議録はその典型です。係会であれば、司会や書記(会議録作成者)などは輪番制で実施することが多いかと思います。もし、書式が毎回バラバラだとすると、せっかく議事録を作っても、後で読み直すと一貫性がなく、わかりにくくなってしまいます。
会議録であれば、日時・場所・出席者・決定内容・課題などを項目にしたフォーマットを作り、書記が各項目に記入していけば、自然と会議録ができあがります。なお、注意点としては、表現・表記を統一することがあります。具体的には、「~だ」「~である」など常体を用いる、できるだけ簡潔明瞭な箇条書きにする、発言などの記載事項を統一する、などがあります。人によってバラバラにならず、統一した会議録であることが必要です。。
ちなみに、会議録には、概要版と逐語版の2種類があります。概要版は、文字通り会議の概要をまとめたもので、一目で会議全体の様子がわかるようなものです。先のように、日時・場所・出席者・決定内容・課題など、会議の主な内容を整理します。
これに対して、逐語版はすべての発言を掲載するものです。この逐語版を作成する理由は、「誰がどのような発言をしたのか」が大事だからです。例えば、複数の部署が集まって、何かを決定することがあります。その際、それぞれの部署がどのような考え方を持っているのかが重要になります。そのため、発言一つ一つを記録しておくことのです。
ただし、注意点があります。それは、発言をそのまま文字にした場合、必ずしも発言の意図が反映されない場合があることです。例えば、ある人が資料に誤りを発見し、「この内容は、おかしくありませんか」と言ったとします。これに対して、別な人が「違うんじゃないの」と発言したします。この場合、前者を肯定して「確かに、この内容はおかしい」という解釈と、前者を否定して「この内容がおかしいというのは、違う」という解釈ができます。
このように、発言をそのまま文字にしただけでは、判然としないことがあるので、逐語版の作成には注意が必要です。ちなみに、先のような場合は、「(この内容がおかしいというのは)違うんじゃないの」などと加筆したり、発言の意図が伝わる表現に言い換えたりして表記します。
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