13 自治法派遣・派遣研修

地方公務員法

1 概 要
①自治法派遣とは、地方自治法252条の17に基づき、職員を他の自治体に派遣すること
②派遣研修とは、地方公共団体が、国や他の地方公共団体などに研修として職員を派遣すること

2 自治法派遣
任命の種類の1つとして派遣がありますが、派遣にはいくつかの種類があります。その1つが、一般に「自治法派遣」と呼ばれているもので、地方自治法252条の17に基づくものです。

同条には、「普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員は、法律に特別の定めがあるものを除くほか、当該普通地方公共団体の事務の処理のため特別の必要があると認めるときは、他の普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員に対し、当該普通地方公共団体の職員の派遣を求めることができる」とあり、その職員は派遣をした地方公共団体と、派遣を受けた地方公共団体の双方の身分を有することになります

その職員の給料、手当(退職手当を除く)及び旅費は、派遣先の地方公共団体が負担し、退職手当及び退職年金または退職一時金は、派遣元の地方公共団体が負担するのが原則となっています。

また、派遣職員の身分取扱いに関しては派遣元の地方公共団体の職員に関する法令の規定の適用されるのが原則ですが、協議によっては派遣先の規定を適用することができるとされています。

こうした自治法派遣は、県と市との間、市同士など、いろいろと活用されています。また、東日本大震災など被災地への長期派遣などの際にも活用する場合もあります。

3 派遣研修
派遣研修とは、地方公共団体が、国や他の地方公共団体などに研修として職員を派遣するものです。

具体的な派遣方法としては、次のようなところがあります。
①専門の研修機関やその他の機関が実施する一定の研修コースを受講するもの
②大学や大学院への留学
③国や他の地方公共団体
④海外への派遣
⑤民間企業

専門機関としては自治大学校、市町村職員中央研修所、全国市町村国際文化研修所などがあります。また、国、金融機関などの民間企業に派遣されたりします。あくまで、研修として派遣するので、派遣元の地方公共団体が経費を負担することとなります

こうした派遣研修のメリットとしては、先進的な行政手法や幅広い視野の習得等、行政需要の複雑高度化への対応力の強化、民間派遣による経営感覚等の習得などがあります。地方公共団体によっては、管理職への昇任の前にこうした派遣研修を行い、職員の育成に努めていることもあります。

しかし、一方で派遣研修のデメリットとして、経費がかかること、研修効果が確認しにくいことなどが指摘できます。

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