13 その他の歳入

自治体財政

1 概 要
①自治体内部の資金の移動に伴う歳入として、繰越金と繰入金がある。
②その他の歳入として財産収入、寄附金、諸収入、地方債がある。

2 繰越金
繰越金とは、一会計年度から翌年度へ持ち越した金額のことです。

地方自治法233条の2には、「各会計年度において決算上剰余金を生じたときは、翌年度の歳入に編入しなければならない。ただし、条例の定めるところにより、又は普通地方公共団体の議会の議決により、剰余金の全部又は一部を翌年度に繰り越さないで基金に編入することができる」とされています。

例えば、当初予算編成の時点では、前年度の正確な繰越金の額は判明しないため、およその額を計上し、その後の補正予算で正確な額を計上したりします。

3 繰入金
繰入金とは、自治体の持つ会計間、もしくは基金との間で現金の移動をする場合に用いられるものです。

例えば、一般会計から歳出を行い、国民健康保険会計の歳入とする場合には、国民健康保険会計では歳入の繰入金(一般会計では歳出の繰出金)となります。また、基金を取り崩して、一般会計の歳入とする場合には、一般会計における歳入の繰入金となります。

4 財産収入
財産収入とは自治体が持つ財産の貸付け、私権の設定、出資、交換又は売払いによって生じる現金収入をいいます。ただし、行政財産及び公の施設の使用に係る使用料は除かれます。

財産収入には、財産運用収入と財産売払収入があります。財産運用収入には財産貸付収入、基金運用収入、利子及び配当金などがあり、具体的には、土地建物の貸付収入、各種基金の利息、株式の配当金などがあります。

財産売払収入には、物品売払収入、不動産売払収入などがあります。具体的には、ガードレールを鉄くずとして売却したり、土地を売却したりする場合があります。

なお、財産収入のうち特に重要な案件については、議決が必要とされています(自治法96条1項8号)。

5 寄附金
寄附金とは、その自治体以外のものから受ける無償譲渡の金銭をいい、一般寄附金(使途を特定されない)と指定寄附金(使途を特定されている)とに区分されます

指定寄附金は、特定の事業に充当されますので、特定財源に区分されます。

なお、施設の建設のような条件を義務付け、その条件に基づく義務を履行しない場合に寄附を解除するようなものは、負担付寄附となり、議会の議決が必要となります(自治法96条1項9号)。

いわゆる「ふるさと納税」も寄附金の一種で、受け入れる自治体では寄附金として受け入れます。

6 諸収入
諸収入とは、他のどの款にも属さない収入のことです。

具体的には、延滞金(税の延滞金等)、預金利子(歳計現金利子等)、貸付金元利収入(女性福祉資金貸付元利収入等)、受託事業収入(予防接種受託収入等)、雑入(弁償金、健康保険料納付金等)などがあります。

7 地方債
地方債とは、自治体が資金調達にために負担する債務(借金)をいいますが、地方債も歳入の1つです。

特定の事業に充てるため、2か年度以上にわたって長期に借り入れるものをいいます。対象事業や発行形式、引受資金の種類によって、様々に区分されます。

起債する場合には、起債の目的、限度額、方法、利率、償還方法を予算で定め、議会の議決を経る必要があります(自治法230条)。

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