12 分担金・負担金・使用料・手数料 

自治体財政

1 概 要
①分担金とは、自治体で行う特定の事業により特別の利益を受ける者から、徴収する金銭のこと。
②負担金とは、自治体など自治体等の一定の事業について特別の利益関係のある者が、負担する金銭のこと。
③使用料とは、行政財産の目的外使用と公の施設を利用する場合に、その反対給付として徴収するもの。
④手数料とは、特定の者のために提供する役務に対し、自治体が徴収する費用。

2 分担金
分担金とは、数人又は自治体の一部に対し利益のある事件に関し、その必要な費用に充てるため、当該事件により特に利益を受ける者から、その受益の限度において徴収するものです(自治法224条)。

また、分担金に関する事項は、条例で定めなければならないとされています(自治法228条1項)が、この条例は分担金を徴収すべき事件ごとに、徴収すべき分担金の種類、受益者の範囲等を規定すべきとされており、まとめて分担金徴収条例を制定することはできないとされています。

具体的な事例としては、集会所の建設・維持管理に伴うもの、防災ダム事業費分担金などがありますが、自治体によっては歳入として分担金がないこともあります。

分担金が税金と異なり、次の特徴があります。
①特定の事業に関して特定の者から徴収する
②特定事業に充当する特定財源として活用される
③利益を超えて徴収はできない

3 負担金
負担金とは、一定の事業について特別の利益関係のある者が、受益の程度に応じて負担するものです。その事業に関係のある者に対して金銭的負担を課して徴収するものです。また、国と自治体との間、自治体間における経費の負担に基づき負担する場合も、負担金とされます。

負担金については自治法には規定はなく、個別の法律の規定によって徴収されます。

具体的な事例としては、児童福祉法による保育料、老人ホーム入所者負担金、母子生活支援施設入所者負担金などがあります。分担金と負担金との違いを考える際には、特定に事業により特別の利益を受けているのか、根拠法が何かなどにより区分することができます。

4 使用料
使用料とは、行政財産の目的外使用と公の施設を利用する場合に、その反対給付として徴収するものです。

使用料には、次の4種類があります。
①行政財産の目的外の使用又は公の施設の利用につき徴収されるもの
②旧慣による公有財産の使用につき徴収されるもの
③地方公営企業の利用につき徴収される料金
④地方公共団体の管理に属する国の営造物の使用につき徴収されるもの、があります。

使用料決定の原則は、次の4点です。
①負担均衡の原則
②負担公平の原則
③応能負担の原則
④政策反映の原則

5 手数料
手数料とは、自治体が、その団体の事務で特定の者のために提供する役務に対し、その費用を徴収するものです。

その役務は一私人の利益等のため必要なもので、行政上の必要のためにするものについては手数料を徴収できません。

具体的には、身分証明、印鑑証明のように特定の者が積極的利益を受けるなどがあります。

このほか、営業許可、製品検査等一般には許可又は検査を受けなければ、営業を禁止されていたり販売を制限されているような場合に、その禁止を解除する行為もまた、これにより当該個人は反射的利益を受けることになりますので、特定個人のためにする事務として手数料を徴収できるとされています。

なお、使用料・手数料とも条例で定める必要があります。

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