議員が、自分自身の興味・関心のある分野について質問するのは、当然あることです。例えば、立候補時に公約として掲げていれば、当然のことながら、有権者も当選後の活動についても着目するでしょう。議員としても説明責任もありますので、執行機関について質問して、その結果を住民に知らせることになります。
選挙時の公約とは直接関係なくても、議員が特定分野に興味・関心を持って質問することも少なくありません。管理職となり、本会議や委員会での質問を聞いていると、毎年、ある議員が同じような質問を繰り返すことがわかります。
例えば、環境施策について興味あり、ある事業の動向について、必ず決算委員会で質問するような場合です。質問を聞いている管理職としては、「今年も、始まったな」と思うわけです。ただ、議員本人にとっては、おそらくライフワークのようになっているのでしょう。
ただ、こうした時、注意しなければならないのは、その分野については、担当課長よりも詳しいケースがあることです。議員のライフワークですから、長年その分野について調べていますので、異動してきたばかりの課長では太刀打ちできないこともあるのです。
このため、課長としては、自分で勉強するのは当然のことですが、議員にどのように取材するのかも大事なポイントになってきます。特に、委員会では質問の事前通告がないことが多いので、「質問なんて、ないだろう」などと甘く見ていれば、議員のきめ細かな質問にお手上げになってしまうでしょう。
ちなみに、議員の中には、議員歴が長くなるにつれて、自分の得意分野・専門分野を持つ人も少なくありません。議員としては、選挙のことを考えると行政分野全般について把握しておく必要があります。しかし、ある程度のことを理解しておけば、その後は自分の道を究めていく議員もいるのです。
個人的な感想になってしまいますが、こうした議員と話すと、とても好感が持てます。純粋な興味・関心を持って、「これだけは、何とかしたい!」という純粋な気持ちを持っているからです。
また、こうした専門分野を持つ議員は、他の議員からも一目置かれます。やはり、一つのことを究めると、議員の見る目も変わってくるようです。
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