今回から、地方公務員法の解説を行っていきます。皆さんに興味を持っていただけるよう、できるだけ、わかりやすく説明したいと思っていますので、説明は簡潔明瞭を心掛けていますので、その点お含みおきください。
1 概 要
地方公務員は、職業的公務員である一般職と、職業的公務員ではない特別職に区分できます。特別職には、地方公務員法は適用されません。
特別職は、公選や議会の選挙を必要とする職などと限定列挙した上で、一般職は特別職以外の一切の職としています。つまり、具体的に示された特別職以外は、すべて一般職となることを示しているのです。
2 特別職とは
特別職については、地公法3条に限定列挙されているのですが、ここでは3点だけ取り上げます。
①政治職
政治職とは、就任するために公選または地方公共団体の議会の選挙、議決もしくは同意が必要な職をいいます。
具体的には、議会の議員、副知事、副市町村長、監査委員、教育委員会の委員、選挙管理委員会の委員、人事委員会・公平委員会の委員、公安委員会の委員などです。
こうした職については、住民または住民の代表である議員の意思に基づくもので、成績主義や厳格な服務規律など地方公務員法の原則を適用するのは適当でないという考えが背景にあります。
②自由任用職
自由任用職とは、成績主義によることなく、任命権者との人的関係や政治的配慮に基づいて任用できる職をいいます。
具体的には、地方公営企業の管理者、企業団の企業長、首長・議長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職で条例で指定するもの、特定地方独立行政法人の役員です。こうした職についても、やはり地方公務員法を適用することは、適当とはいえない面があります。
③非専務職
非専務職とは、生活を維持するために公務に就くのではなく、特定の場合に、一定の学識、知識、経験、技能などに基づいて、随時地方公共団体の業務に参画する者の職をいいます。
具体的には、審議会・審査会などの委員、随時または非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員、非常勤の消防団員・水防団員などがあります。
こうした職については、厳格な指揮命令系統の中で行われることが予定されていないこと、この職以外にも他の職務を有していること、勤務が短期間・短時間であることなどの理由から、やはり地方公務員法を適用することは適当でないとされています。
3 教育長
教育長はこれまで一般職とされてきましたが、平成26年の地教行法の改正に伴い、特別職に位置づけられました。
新制度の教育長は、①議会の同意を得て選任、②任期は3年、③教育委員会の会務を総理し、教育委員会の代表、④教育委員長に代わり議場に出席、などがポイントとなります。
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