1 概 要
①地方公務員法第3章第4節では、給与や勤務時間などの勤務条件の原則等について規定している。
②勤務条件は、給与と給与以外に区分できる。
2 勤務条件とは
地方公共団体と職員を義務と権利の関係で言えば、次のように言えます。
①地方公共団体は職員に勤務を命ずる権利があり、職員には勤務する義務がある
②職員は給料の支払いを請求する権利があり、地方公共団体は給料を支払う義務がある
地方公務員法第3章第4節では、こうした給与や勤務時間などの勤務条件の原則等について規定しています。なお、勤務条件とは「給与及び勤務時間のような、職員が地方公共団体に対して勤務を提供するについて存する諸条件で、職員が自己の勤務を提供し、またはその提供を継続するかどうかの決心をするにあたり一般に当然に考慮の対象となるべき利害関係事項」とされています(法制意見昭26.4.18、行実昭35.9.19)。
3 勤務条件の具体的内容
勤務条件の具体的内容としては、以下のように整理されています。
①職員に対する経済的給付に関するもの
この代表例は、常勤職員の給料、非常勤職員の報酬となりますが、常勤職員では時間外勤務手当や扶養手当などの各種手当や旅費、非常勤職員には費用弁償などがあります。
②職員が提供すべき労働の量に関するもの
この代表例は正規の勤務時間ですが、これ以外にも時間外勤務、宿直、日直などがあります。また、本来勤務すべき時間を免除するものとして、休日、休暇、職務専念義務の免除、休憩時間などがあります。
③職場秩序を含む執務環境に関するもの
この代表例は、職員の義務としての服務の内容、分限・懲戒の基準、昇任や昇給など基準などがあります。また、職場の安全や衛生、セクシャルハラスメントに関することなども含みます。
④労働の提供に付帯する便益に関するもの
この代表例は、公務災害補償、通勤災害補償、職員や被扶養者の病気や死亡等に対する相互救済制度、職員の保健等の厚生制度があります。
4 勤務条件の種類と原則
勤務条件の種類と原則は、以下のように整理できます。具体的な内容は、別項で説明します。
(1)給与
①給与決定の原則
・職務給の原則
・均衡の原則
・条例主義
②給与支給の原則
・重複支給の禁止
・支払い3原則(通貨払いの原則、直接払いの原則、全額払いの原則)
(2)給与以外の勤務条件
①均衡の原則
②条例主義
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