10 昇任論文の参考書や資料の使い方

論文対策

「できるだけ時間をかけないで、効率よく勉強したい」と考えるのは、受験生共通の思いかと思います。そのために、手当たり次第に、参考書や資料を集めてしまう受験生がいます。しかし、これは混乱をもたらしてしまい、かえって時間のムダになってしまうので、注意が必要です。

<ポイント>
1 大型書店で書籍を見比べる
2 目的を持って資料を収集する
3 参考書も資料の「鮮度」が重要


1 大型書店で書籍を見比べる
昇任論文の参考書はいろいろありますが、論文の書き方や考え方は、参考書によってずいぶん異なります。個人的には、「これでは、かえって論文が書きにくいのでは?」と思うようなものも、正直あります。

論文には相性がありますから、その人にとって合う・合わないということがあるのです。しかし、参考書を眺めるだけでも、論文の全体像がわかるので、やはり便利です。

できれば大型書店に行き、様々な参考書を読み比べ、自分に合った書籍を購入することをお勧めします。目的は合格論文を書くことです。このため、自分に合ったものを選ぶことが、一番重要です。

なお、論文の書き方を掲載した参考書とは別に、合格論文を集めた合格論文集もあります。どうしても、合格論文を集められない人にとっては、これも有効です。

2 目的を持って資料を収集する
また、解決策を探すために、先進自治体の事例や地方自治専門誌などを収集する人がいます。しかし、目的なく資料収集すると、「これは使えるかも」、「あれも解決策になる」のように、資料の内容に引っ張られてしまい、単に資料の収集家になってしまいます。

例えば、準備論文を「効率的な行財政運営」にして、解決策の1つとして「歳入確保」を考えたとします。こうした際、「何か特徴的な歳入確保策を実施している自治体はあるか」のように目的を定めて、具体的な解決策を探すのは非常に有効です。

しかし、こうした目的を決めずに、「単に使えるネタはないかな~」と資料を探し出すと、どうしても資料に引っ張られてしまうので注意が必要です

3 参考書も資料の「鮮度」が重要
なお、参考書でも資料でも大事ことは、内容の「鮮度」です。例えば、定評のある参考書であっても、刊行年が古いと、掲載されている事例や論文の内容が時代遅れになっていることがあります。

これは、資料も同様で、インターネットの古い記事などには注意が必要です。例えば、かつてアウトソーシング(業務の外部委託)が盛んだった頃は、「効率的な行政運営」の解決策として非常に有効でした。
しかし、現在は多くの自治体で実施し、新たにアウトソーシングできる分野はほとんどありません。このため、単に「アウトソーシングを推進する」と書くと、採点官は「今、どこの分野でできるの?」と考えてしまうのです。

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