組織の成果を高めるためには、組織として取り組まなければいけないことがあります。その代表例が、「見える化」「仕組み化」です。「見える化」とは、組織の様々な活動を具体化・言語化して、客観的に捉えられるようにするものです。もともとは、トヨタ自動車の業務改善活動である「目に見える管理」として登場しました。
例えば、イベントの実施を例にすると、①イベント内容の検討・決定、②関係機関への連絡・協議、③関係機関とのスケジュール確認、④イベント当日までの進捗管理、などが必要となってきます。これらを「いつ、誰が、どのように実施するのか」を表にまとめれば、庁内及び関係機関で共通の認識を持つことができます。この作成した表によって、イベント実施までの業務の「見える化」が実現できたわけです。
また、給付金事業であれば、①住民からの申請、②申請内容の審査、③支出等の起案・決裁、④住民への通知、などが一連の流れとなります。この①~④における注意点などをマニュアルにまとめれば、誰が行っても同じ作業ができることになり、職員によって判断や処理方法が異なるというブレをなくすことができます。
しかし、このマニュアル整備のためには、業務が「仕組み化」されていることが重要になってきます。仮に、マニュアル作成以前にはそれぞれの職員が、独自に審査を行っていたとします。そうすると、当然のことながら、職員によって判断がバラバラになってしまいます。これでは、住民から「なぜ、あの人には給付金が支給されて、自分には支給されないのか」などとクレームが来てしまうかもしれません。
このため、属人的に業務を行うのではなく、「いつ、どこで、誰がやっても同じ成果を出すことができる」ようにする必要があります。これが、「仕組み化」です。ファストフード店の業務はマニュアルがよく整備されていると言われます。このため、新しいアルバイトでも、すぐに対応できるわけです。
「見える化」も「仕組み化」も、意識しないとなかなかできません。マニュアル作成などと言うと非常に大変だと感じるかもしれませんが、簡単なA 4判1枚にまとめるだけでも良いのです。職員の認識を擦り合わせるには、十分です。かえって、分厚いマニュアルになってしまうと、誰も読まなくなってしまい、形骸化してしまう可能性もあるので、注意が必要です。
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