1 概 要
①自治体の経費を経済的性質によって分類することを、性質別分類という。
②性質別分類は、予算科目の節の区分基準としている。
2 性質別分類とは
自治体の経費を経済的性質によって分類することを、性質別分類といい、具体的には「義務的経費」「投資的経費」「その他経費」に分類されます。
義務的経費とは、支出が義務付けられているもので、人件費、扶助費、公債費が該当します。簡単には縮減することが困難な経費です。
投資的経費とは、公共施設の建設などの建設的経費であって、インフラの整備等に要する経費となっています。
その他経費は、事業の委託料や備品購入費などの物件費、また施設保全のための維持補修費などが含まれます。
性質別分類は、予算科目の節と対応しています。例えば人件費は「1報酬」から「6恩給及び退職年金」が該当します。
3 義務的経費
義務的経費は人件費、扶助費、公債費に区分されます。いずれも支出が義務付けられており、容易に縮減することは困難な経費です。
人件費は職員の給料等、扶助費は生活保護費や保育園の運営等に要する経費など、公債費は借金の返済ですので、すぐに削減することは困難です。
こうした義務的経費が増加しますと、財政が硬直化し、新たな行政需要に対応することが困難となりますので、注意が必要となります。
4 投資的経費
投資的経費は、普通建設事業費、災害復旧事業費、失業対策事業費に区分されます。
普通建設事業費とは、道路の新設・改良や学校の新築・増改築など公共施設の建設事業のための経費です。建設事業費の中で、災害復旧事業費以外のものとなるため、「普通」建設事業費となります。
普通建設事業費には、補助事業(国庫支出金を財源の一部とする)と単独事業(自治体が独自に行う)が中心となりますが、この他に国直轄事業負担金(国が行う事業に対して、自治体が負担金を支出するもの)、受託事業(自治体等からの事業の実施を受託する)などがあります。
災害復旧事業費とは、地震や洪水などにより被害を受けた施設、及び火災により被害を受けた施設の復旧に要する経費です。
失業対策事業費とは、失業者に臨時的に就職の機会を与えるための事業です。昭和24年に制定された緊急失業対策法に基づき、失業者が自立するまでの間、就業の機会を与え生活の安定を図る事業となっています。
5 その他経費
その他経費としては、以下のようなものがあります。
①物件費
物件費には、賃金(アルバイト賃金等)、旅費、交際費、需用費、役務費、備品購入費、委託料などを指し、いわば消費的(非生産的)経費の総称です。
②維持補修費
公共施設等の効用を維持するための経費です。
③補助費等
公営企業に対する負担金、各種団体への補助金、報償費、寄附金などの経費です。特に補助金は、既得権益化しないように注意が必要です。
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