27 マズローの欲求5段階説でやる気を引き出す 

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
4月に係長に昇任し、現ポストに異動してきました。部下に女性の主任がいるのですが、目立たないながらも、とても正確な仕事をしてくれます。係長としては、もっと活躍してほしいと思うのですが、控えめな性格で「私なんて、たいしたことありません」というばかりです。彼女のやる気をもっと引き出したいのですが、何か良い方法はないでしょうか。

2 解決法
マズローの欲求5段階説で、やる気を引き出しましょう。

マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求には5段階あり、低い欲求が満たされれば、高い欲求が満たしたくなるというものです。具体的には、欲求の低い順から高い順は、以下のとおりとなります。

①生理的欲求…生きていくために必要な食欲、睡眠欲など本能的な欲求
②安全欲求…健康、治安が良いなど、安全・安心な暮らしへの欲求
③社会的欲求…家庭や会社などの集団への帰属や愛情を求める欲求
④承認欲求…他人に認められたい、尊敬されたい欲求
⑤自己実現欲求…自分の能力を発揮し、「あるべき自分」になりたい欲求

お悩みであれば、主任は仕事ができるものの、目立たない存在になっています。実際には、もっと活躍できるはずですが、自己評価が低くて、十分に能力が発揮されていません。

そこで、「担当案件について、係会で説明して」とか「○○について、課長へ報告しよう」のように、なるべく人前に出るような機会をつくります。そして、「わかりやすい説明だったよ」と係長から直接伝えたり、他の人からの評価を聞いたりすることで、承認欲求が刺激されます。これにより、低い自己評価から脱して、積極的な行動につなげることができます。

3 活用例
①新人職員の育成
新人職員が、職場に慣れるには時間がかかります。「係長や他の係員に受け入れられている」と感じることができなければ、いつまでも緊張は解けません。このため、係長としては社会的欲求を満たす必要があります。その後、承認欲求、自己実現欲求が満たされるように、育成していくことが求められます。

②自己実現から異動先を考える
異動を考える際、「児童と教育は嫌だから、残りで希望先を考える」のか、「福祉分野を極めたいので、一度は障害分野を希望しよう」と考えるのかでキャリアプランは大きく変わります。自己実現は重要な視点です。

4 ワンポイントアドバイス
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱したもので、欲求段階説、自己実現論と呼ばれることもあります。

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