20 ワラスの4段階で創造的な発想を生む

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
私の所属する企画課では、課名とは異なり、企画することはほとんどありません。実際には、事業課から出てきたものを調整することがほとんどです。しかし、この4月に赴任してきた企画課長は「企画課なのだから、企画しなくてはダメだ」と言い、職員に新規事業や事務改善のアイデアを最低1つは考えるように、との指示がありました。全く思いつかず、だんだん締切が迫ってくるのですが、どうしたら良いでしょうか。

2 解決法
ワラスの4段階で、アイデアを生み出すプロセスを知りましょう。

ワラスの4段階とは、創造的なアイデアを発想する思考のプロセスには4つの段階があるとする説です。具体的には、以下のとおりです。

①準備段階
創造性を生むための準備段階。精神的準備(達成すべき目標や解決すべき問題の設定)と物理的準備(必要な情報収集)の2つがあります。

②孵化・あたため段階
行き詰まりや停滞感を覚えてしまうため、いったん問題から離れてみる。気分転換や気晴らしなどして、ひらめきが来るのを待ちます。

③啓示・ひらめき段階
意識的に問題から離れている中で、突然、創造的な解決策が降ってくる段階。「天の啓示」や「アハ体験」と呼ばれることもあります。

④検証段階
アイデアが本当に正しいのか、実際に有効なものとして通用するか、冷静かつ論理的に検証し、具体化する段階。

以上の段階を経て、アイデアが生まれるとしています。

3 活用例
①緊急でないが重要な課題
ポートフォリオ分析の業務管理で示したとおり、担当業務は緊急性と重要性で4つに区分できます。この際、大事なのは「緊急ではないが重要な課題」への対応です。これは、時間的余裕があるものの、じっくり腰を据えて対応しなければなりません。お悩みの場合も同様です。できるだけ、早めに準備段階に入ることが必要となります。

②長期的課題への対応
「いつかは解決しなければならない課題だが、今慌てて着手する必要がない」という長期的課題は公私両面に存在します。公であれば昇任、キャリアプラン、私であれば金銭、親の介護などです。これらの問題も放置せず、早めに準備すれば、より良いアイデアを見つけられます。

4 ワンポイントアドバイス
ワラスの4段階は、アメリカの社会心理学者グラハム・ワラスが提唱しました。

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