8 ポートフォリオ分析で整理する

問題解決のためのフレームワーク

1 お悩み
先日、研修係長から「最近、職員研修の内容がマンネリ化していると指摘されている、職員の受講アンケートでも、研修に対する満足度の低下が見られる。このため、来年度に向けて、研修内容の見直しを行いたい。何か良い考えを出してくれ」と言われました。しかし、どのように着手したら良いか、全く見当もつきません。

2 解決法
ポートフォリオ分析で整理しましょう

ポートフォリオ分析は、2つの軸(縦軸・横軸)で、4つの面をつくり、それぞれの要素がどこに位置付けられるのかを分析する手法です。

お悩みで言えば、「受講生満足度」と「コスト」を2軸にしてすべての研修を配置します。すると、①満足度もコストも高い、②満足度は高く、コストは低い、③満足度は低く、コストは高い、④満足度もコストも低い、の4つに分類できます。このように分析すると、「③の満足度は低いのに、コストが高い研修は中止しよう」などの意思決定が可能となります。

また、仮に「ビジネスマナー研修」と「文書研修」が共に「満足度もコストも高い研修」であったとしても、満足度やコストに違いあれば、同じ象限の中でも置かれる位置がことなりますので、より詳細な分析が可能となります。

さらに、ポートフォリオ分析では、時間の経過により位置づけが変わっていく「変化」を示すことも可能です。かつては「文書研修」が②に位置していたものの、その後、③、④と変更していったことを矢印で示すことができれば、位置付けの推移が一目でわかります。

3 活用例
①業務管理
担当する業務について、どの順番で着手していけば良いかを判断するために、このポートフォリオ分析はよく活用されます。この場合、「緊急性」と「重要性」を2軸にします。これにより「緊急性は低いが、重要性の高い」業務は、早期に着手しなければならないなどと判断できます。

②事業分析
ポートフォリオ分析は、事業を分析する際にもよく活用されます。例えば、成果(向上←維持→減少)とコスト(増加←維持→減少)を2軸にして、どこに各事業を位置付けるか、今後の方向性について企画部門と担当課で認識を共有します。

4 ワンポイントアドバイス
ポートフォリオは携帯用書類入れの意味ですが、投資用語としてはリターンとリスクの2軸で最適な組み合わせを選択することを言います。

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