68 外部監査 

自治体財政

1 概 要
①外部監査制度は、監査についての独立性と専門性を強化するために制度化されたもの
②包括外部監査と個別外部監査の2種類がある

2 外部監査制度とは
外部監査制度は、監査についての独立性と専門性を強化するために制度化されたもので、自治体が外部の専門家と契約して監査を受ける制度です。包括外部監査契約と個別外部監査契約の2種類があります。

外部監査契約の相手方は、自治体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者で、以下のとおりです。
①弁護士
②公認会計士
③国の行政機関において会計検査に関する行政事務または自治体において監査もしくは財務に関する行政事務に従事したものであって、監査に関する実務に精通しているものとして政令で定めるもの
④税理士(外部監査契約を円滑に締結またはその適正な履行を確保するため必要と認めるとき)

3 包括外部監査契約とは
包括外部監査契約の対象となる団体は、都道府県、政令市、契約に基づく監査を受けることを条例で定めた市町村となっています。また契約にあたっては、あらかじめ監査委員の意見を聴き、議会の議決を得ることが必要です。なお、連続して4回、同一の者と契約することはできません。

契約事項としては、①契約の始期、②監査に要する費用の額の算定方法、③その他監査のため必要な事項として政令で定めるものとなっています。長は契約を締結したら、直ちに告示します。

包括外部監査人の監査は、最少の経費で最大の効果をあげること、組織運営の合理化の趣旨達成に必要な特定事件について監査することになります。

包括外部監査の流れとしては、以下のようになります。
①監査の実施
②監査結果の報告(議会、執行機関、監査委員等)
③監査委員が結果を公表、必要であれば議会、執行機関に意見を提出
④必要であれば議会、執行機関等が措置を講じ、監査委員に通知
⑤監査委員が措置を公表

4 個別外部監査契約とは
個別外部監査契約とは、通常、監査委員が行うこととされている住民、議会または長からの請求または要求に基づく監査を、監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例で定めている自治体が、専門家の監査を受けるとともに、監査の結果に関する報告書の提出を受けることを内容とする契約です。

個別外部監査契約を締結するかどうかは、各自治体が条例により定めます

個別外部監査の根拠としては、事務監査請求、議会からの監査の請求、長からの監査の請求、長からの財政援助団体等の監査の要求、住民監査請求によるものがあります。

また、財政健全化計画等を定めなければならない地方公共団体の長は、計画を定めるに当たっては、あらかじめ、当該団体の財政健全化のために改善が必要と認められる事務の執行について、理由を付して監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めなければならないとされています。

なお、個別外部監査契約の締結手続きや個別外部監査人の権限・義務等は、包括外部監査契約に準じます。また、住民監査請求による場合には、住民訴訟につながることなどを踏まえ、個別監査によることが相当であるかの判断は、議会でなく監査委員が行うこととされています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました