50 地方公会計 

自治体財政

1 概 要
①各自治体では公会計の整備を図り、貸借対照表などの財務書類を発表している
②しかし、かつての公会計では自治体間の比較ができないなどの問題点があり、平成26年に公会計の整備がされることとなった

2 財務書類
平成18年、総務省が「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」(地方行革新指針)を通知し、この中で、地方公会計の整備をすることとされました。

具体的には、「新地方公会計制度研究会報告書」を踏まえ、原則として国の作成基準に準拠し、発生主義を活用するとともに複式簿記の考え方の導入を諮り、基準モデル又は総務省方式改訂モデルを活用して、地方公共団体及び関連団体等も含む連結ベースで、公会計の整備を推進することとなりました。

これに基づき、各自治体では、貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書の財務四表を作成しています。それぞれの内容は、以下のとおりです。

(1)貸借対照表
3月31日現在の自治体の財政状況を示すもの。資産(住民の財産)、負債(将来世代の負担)、純資産(これまでの世代の負担)に分類され、資産=負債+純資産となります。

(2)行政コスト計算書
経常行政コストが、どの程度受益者負担以外の財源で賄われているかを示すもので、経常行政コスト-経常収益で算出されます。

(3)資金収支計算書
実際の現金の流れを見る財務書類で、企業会計のキャッシュフロー計算書に該当するもの。

(4)純資産変動計算書
貸借対照表における純資産が1年間でどのように変動したかを示すもの。

3 地方公会計の整備
先の総務省の通知に基づき、各自治体では財務書類の作成を行ってきましたが、その後、導入モデルが異なることによって自治体間の比較ができないことや、固定資産台帳の整備の必要性などが訴えられるようになりました。

そのため、平成26年5月に総務省は「今後の地方公会計の整備促進について」により、新たな地方公会計の整備をするよう通知しました。自治体の財務書類の統一的な基準を設定し、以下を促進しました。
①発生主義・複式簿記の導入
②固定資産台帳の整備
③比較可能性の確保
原則として、各自治体は平成27年度から29年度までの3年間で統一的な基準による財務書類を作成することとなりました。

ポイントは以下のとおりです。
①発生主義・複式簿記の導入
発生の都度又は期末一括で複式仕訳(決算統計データの活用からの脱却)
②固定資産台帳の整備
固定資産台帳の整備を前提とすることで公共施設等のマネジメントにも活用可能
③比較可能性の確保
統一的な基準による財務書類等によって団体間での比較可能性を確保

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