50 ラテラルシンキング発想法④ マイナスをプラスに変える 

問題解決のためのフレームワーク

【問題1】
少子高齢化に伴う人口減少で、各地で空き家が大きな問題になっています。子供や孫世代が大都市へ転出してしまうため、老齢の親が亡くなると家だけが取り残されてしまうのです。しかし、これでは防犯や防災をはじめ、様々な問題が発生します。また、いずれ行政代執行で解体するようなことになれば、自治体の負担も増大してしまいます。この問題を解決するためには、どのような解決方法があるでしょうか。

【解 答】
答えは、家を無料または安価で販売・賃貸する制度をつくり、移住・企業誘致の促進策とするのです。この制度は、多くの自治体で実施しているので、すぐにわかった人も多いと思います。新型コロナウイルスの影響で、地方移住やワーケーションなどが注目されています。

わざわざ都心に住まなくでも、リモートワークで十分に生活できることが浸透してきました。このため、この制度はますます活用されるかもしれません。

ちなみに、自治体がWI-FIなどインフラ環境の整備まで行い、企業誘致している例もあります。これで人口増となれば、税収増が見込めますので、初期投資しても十分な見返りを期待できるのです。

【問題2】
かつて活気を帯びていたとある温泉街が、今ではすっかり寂しくなってしまいました。このため、旅館の女将たちは何かしらの対策を考えることとしましたが、お金はなく、歓楽街もないことから、夜になると商店街はシャッター通りになってしまいました。しかし、これを上手く活用したイベントを開催したところ、多くの宿泊客が集まるようになったのです。さて、どのようなイベントを企画したのでしょうか。

【解 答】
答えは、「ちょうちんウオーク」です。夜の街が暗い、歓楽街もない、ライトアップするお金もないことから、反対に暗さを活用するイベントを考えたのです。女将たちの先導のもと、かつてどの旅館にもあったちょうちんを手にして、暗い街や川沿いを歩くツアーを企画したところ、都会の人に人気のツアーとなったのです。暗さが、逆に風情を感じさせ、次第に温泉街に活気が戻ってきたというのです。

ちなみに、このようなマイナスをプラスに変える発想は、いろいろと見られます。ある過疎地は特に名産品もなく、若者は都会へ出てしまい、高齢者だけが取り残されてしまいました。そこで、山に行けばどこにでもある「葉っぱ」を売り出すことにしたのです。これを「つまもの」(料理を引き立てるための葉・花などの植物など)として売り出し、全国に出荷するようにしたのです。高齢者にとっては、「葉っぱ」集めや箱詰めが良い収入源にもなりました。(参考:川村透『答えはいつも、自分の枠の外にある』ダイヤモンド社)

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