1 ラテラルシンキングとロジカルシンキング比較
ラテラルシンキングとは何かを、もう少し皆さんに具体的にイメージしてもらうためにロジカルシンキングと対比して説明したいと思います。
○ラテラルシンキングとロジカルシンキングの比較
ラテラルシンキング | ロジカルシンキング | |
目的 | 思考の幅を広げる | 筋道立てて論理的に解答を導き出す |
思考の 方向性 | 水平思考。考え方の可能性を広げる。物事の要素を集める。本質を考える。 | 垂直思考。ひとつの考え方を深く掘り下げる。物事を分類・整理する。具体化を考える。 |
解答 | 唯一の正解はなく、たくさんの解答がある | 基本的に解答はひとつ |
考え方 | 自由奔放に発想する。直感を大切にする。枠組みにとらわれない。 | 常識的・経験的に発想する。論理を重視する。既存の枠組みに当てはめる |
2 ラテラルシンキングとロジカルシンキングの関係
ラテラルシンキングとロジカルシンキングは対立する考え方ではなく、相互補完の関係とされています。問題解決にあたっては、1つの考え方を採用しなければならない、ということはありません。
思考の順序としては、ラテラルシンキングで複数の選択肢を抽出し、その1つ1つについて実現可能性などをロジカルシンキングで考察するのが理想とされています。
先に述べたように、ロジカルシンキングは垂直思考と呼ばれるように、1つの視点を奥深く掘り下げていきます。これに対して、水平思考であるラテラルシンキングでは、自由な発想で、様々な視点を見つけていくのです。そして、ラテラルシンキングとロジカルシンキングを組み合わせることで、より問題解決に近づくことができるわけです。
なお、これまでの教育ではロジカルシンキングが主流でしたが、複雑化する現在では、それだけでは問題解決が困難となっています。このため、ラテラルシンキングが重要になってきているのです。さらに、ロジカルシンキングの「正解は1つ」という発想からの脱却も求められています。
ちなみに、ラテラルシンキングは、1967年にエドワード・デボノが提唱した思考法と言われており、「水平思考-固定概念がはずれる創造的思考法」(きこ書房)という本で紹介されています。
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