議員から業者を紹介されることがあります。例えば、次のようなケースです。
①長期保存が可能な備蓄食糧を開発した業者があるので、それを備蓄物資に加えてほしい
②市内に保育園を開設したいと考えている業者がいるので、一緒に話しを聞いてほしい
③市の行政計画の策定にあたり、コンサルとして特定の業者を活用してほしい
④指定管理者募集に応募しようとしている事業者がいるので、話しを聞いてほしい
上記の場合、②や④の場合は、単に話を聞くだけですので、特別な対応は必要ないでしょう。他の事業者と同様に、制度の内容や手続方法について、説明すれば済むことです。
ただし、④の場合、特定の業者を指定管理者にするような依頼があれば、毅然とした態度を取る必要があります。当然のことですが、指定管理者選定にあたっては、選定委員会などにより公平な審査が行われますので、特定の業者を特別扱いすることはできません。
これは、③の場合も同様でしょう。様々な行政計画を策定する際、コンサルとして事業者を活用することはよくあることです。ただし、こうした際にも、一般的には選定するために会議体を設置し、複数の職員によって審査されます。このため、議員との癒着によって、業者を特定することは、まずないはずです。
①の場合は、自治体としての必要性から判断することになります。備蓄物資の充実は必要なことですが、本当にその備蓄食糧を購入する必要があるのかは、十分検討しなければなりません。きちんとした理由があれば、当然、購入しても決しておかしくはありません。
ところで、こうした議員からの紹介で注意すべきは、議員の本音がどこにあるかです。単に、業者を自治体の担当課長を紹介するだけで良いということも、よくあります。このため、いくら議員の紹介だからといっても、その議員自身は「その業者を活用するか否かは、自分に関係ない」と思っていることもあるのです。
一方で、議員が「その業者を活用してもらいたい」と考えている場合は、慎重な対応が必要です。活用の是非は、自治体としての必要性で判断すれば良いのですが、首長や他の議員との関係を考慮する必要があるからです。
例えば、その議員が紹介する業者Aには、対立する業者Bがいて、その業者Bと首長との結びつきが強かった、なんてこともあるからです。
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