解決策は3点を提示しますが、これは3つの視点から解決策を述べるということです。とにかく、何でも良いから、3点書けば良いというわけではありません。では、この3点をどのように考えたら良いでしようか(なお、4章構成の場合は2章の問題点の視点とも言えます)。
<ポイント>
解決策の3つの視点
1 制度・組織運営・意識啓発
2 住民視点・首長視点・職員視点
3 事業・財政・職員
1 制度・組織運営・意識啓発
例えば、主任論文のテーマが「成果を上げる職場運営」だとします。この場合、①係会での進捗管理・情報交換、②係内の円滑なコミュニケーション、③不断の自己啓発、とします。これは、①制度(係会のルール化)、②組織運営(モラール)、③意識啓発、の3つの視点としています。
例えば、3番目の意識啓発の面だけで3 点を書くと、非常に狭い視点になってしまいます。また、その効果にも疑問が出てしまい、結局は説得力のある論文にはなりません。テーマに対して効果的な解決策とするには、様々な視点からバランス良く取り上げることが求められます。
1点目は、係会の制度をつくるということです。このような制度、仕組み、ルールを構築することは、1つの視点です。っまり、「テーマに対して、どのような制度を構築するか」という視点です。
2点目は、運営・運用です。制度とまではいかなくても、組織の運営や運用にかかる部分です。簡単に言えば、「こうした姿勢・心構えで取り組んでいきましよう」という視点です。
3点目の意識向上も、解決策ではよく用いられるものです。自分の意識を高めるならば自己啓発、部下指導など他の職員の場合には、部下への啓発、部下の意識向上となります。
2 住民視点・首長視点・職員視点
同じ「成果を上げる職場運営」であっても、別な視点で考えることもできます。例えば、住民視点・首長(全庁的)視点・職員視点で捉える方法もあります。この場合、①的確な住民ニーズの把握と反映、②他部署との連携、③不断の事務改善、などが考えられます。この視点で考えても、全く問題ありません。
3 事業・財政・職員
次に、係長論文の行政課題「効率的な行財政運営」で考えてみます。この場合、事業・財政・職員の3つの視点が考えられます。つまり、①不断の事業の見直し、②アウトソーシングの検討、③職員のコスト意識の徹底、などが想定されます。
もちろん、係長論文であっても、先ほどの視点で書くことも可能です。つまり、住民視点・首長(全庁的)視点・職員視点です。やはり、①的確な住民ニーズの把握と反映、②他部署との連携、③不断の事務改善、を係長の視点から論文を作成することも可能です。
3つの視点について説明しましたが、他にもいろいろな捉え方があります。 このような解説は参考書にも掲載されていますが、以前に触れた合格論文の分析を行うと発見できます。合格論文から、様々な解決策を抜き出し、それがどのような視点になっているのかを分析すれば、3つの視点は自然と理解できると思います。こうした意味からも、合格論文の収集と分析は重要なのです。
論文の書き方については、次の書籍がおススメです!
コメント