公務員にとって避けられない業務の1つに会議があります。この会議は、いくつかの目的によって分類できます。
①出席者の情報の提供や共有(「幼稚園申込者数の推移と現状について」など)
②出席者に議論してもらい結論を出す (「減少する幼稚園申込者数に対する今後の対応」など)
③今後の方向性などの意思決定を出席者が確認する(「幼稚園統廃合計画(案)について」など)
…などです。もちろん、目的は1っとは限らず、①と②の両方の目的で、1つの会議を開催することもあります。
会議を開催する意味は、「出席者全員が了承した」・「出席者に伝えた」という事実が残ることです(もちろん、反対表明する者がいれば、了承したことにはなりませんが)。これによって、会議を主催した担当部署だけでなく、出席した関係部署や職員にも責任が生じることになるわけです。担当部署としては、責任を分散することが可能となるのです。あまり内容がなくても、会議を開催すること自体に大きな意味があるケースがあるわけです。このため、なかなか会議をなくすことができません。
しかし、「残業ゼロ」を目指すためには、円滑に会議を開催することが求められます。前項で取り上げた「根回し」もその1つですが、効率的に業務を進めるためには、円滑な会議は大事な要素となるのです。そのためには、いくつかの技術があります。
第一に、書面開催の検討です。出席者への情報提供や共有、または出席者の確認が必要で、特に出席者が集まる必要性が高くない会議があります。こうした場合は、対面する会議でなく、資料を配布して会議を開催したこととする書面開催を検討します。この書面開催の会議は、新型コロナウイルス感染症の影響で、一般的になりました。もちろん、出席者間での議論が必要な内容には不適切ですが、先のような確認だけであれば、書面開催で十分です。
第二に、資料の事前配布です。出席者の視点で考えれば、当日、会議で初めて資料を見るよりも、事前に見ておいた方がスムーズに議論に入ることができます。また、資料の説明の時間も短くて済みます。ただし、資料を配って「読んでおいてください」というのも、やや不親切です。できれば、会議を主催する事務局で想定するポイントなどを、資料配布と同時に伝えておくと良いでしよう。
第三に、出席者の発言依頼です。会議において、事務局の考える内容を了承してほしい場合、特定の出席者に対して発言を依頼するわけです。もちろん、その出席者が納得していることが前提ですが、会議を早く終わらせるためには、事務局の考える内容に同調してもらう発言をしてもらうのです。これにより、会議の進行は加速して、早く終了することが可能となります。根回しの1つと言えるかもしれません。
そもそも会議の最も重要なことは、出席者で様々な考えやアイデアを出し合い、議論によって完成度を高め、全員が納得して1つの結論を導くことにあります。しかし、そうした目的でない会議をどうしても開催する必要があるのならば、いかに効率的に会議を行うかは、職員にとって重要なスキルなのです。
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