このシリーズでは、自治体に脈々と伝わる様々な格言を、皆さんにお伝えしていきたいと思います。皆さんも、一度や二度は、こうした格言を聞いたことがあるかもしれません。また、上司が鼻を膨らませて、実際に職員の前で話しているかもしれません。小難しい話ではないので、気軽にお楽しみください。
さて、最初の格言が「立場が人をつくる」です。これは、人はそれなりの地位につけば、その地位にふさわしい人間に成長していくこと、もしくは、ポストに応じた振る舞いができることを指します。
これは、皆さんにも思い当たるふしがあるのではないでしょうか。例えば、昨日まで主任だった人が、4月1日に昇任して係長になる。そして、実際に部下である係員などに指導している姿などを、目にするようになる。そうすると、「ああ、あの人は、本当に係長になったんだなあ」と思うものです。「係長が板についてきた」などと言われたりします。
また、例えば、急にPTのリーダーに指名されたとします。最初は、「やだなあ」と思っていたものの、リーダーとしてメンバーに接したり、課長に話したり、といろいろと活動するなかで、だんだんと自分の中にも自覚が芽生えていきます。そして、名実ともにリーダーらしくなっていくわけです。
結局、そのポストに就いてみれば、結果的にできてしまうのです。口の悪い上司などは、「そのポストに就かせさえすれば、何とかなるもんだ」などと言ったりします。確かに、それも一面では事実です。このため、「立場が人をつくる」とは、「結局、誰でもできるということだ」という人さえいるのです。
このことは、昇任や新しい仕事に躊躇している人にとっては、安心材料かもしれません。なぜなら、「結局、誰でもできる」のですから。このため、昇任をためらっている職員に対して「立場が人をつくるから、大丈夫だよ」などと言って、無理やり、昇任試験を受けさせようとする、悪質な(?)手口もたまに見受けられます。ご注意ください。
ちなみに、「立場が人をつくらない」ケースも、たまに見受けられます。やる気満々で、課長になってみたものの、上から目線で部下に指示をしまくり、部下から総スカンを喰らってしまい、孤立した課長などです。
このような課長は、実際にいました。この場合、「立場が人をつくる」のでなく、「立場を笠に着る」だったようです。ご注意を。
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